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保健の先生 リース

今回はパロディ?オマージュ?要素が高めです。

 学園にいる数少ない僧侶。その1人である『サヤカ』はある悩みを抱えていた。


「先生……」


 神妙な面持ちで保健室へと入る彼女を前に、リースは少し緊張していた。


(何か悩み事かしら?私、心のケアとか苦手なのよね。大抵酒飲んでスッキリさせるから……)


「先生……実は私……」

「え、ええ……」

 膝の上に手を置き、背筋を伸ばすリース。


「……回復呪文が一切使えないんです」


 どうやら彼女は僧侶でありながら、Lv.UP時に回復呪文は覚えずに他の呪文ばかり習得してしまった様だ。

 因みに、Lv.UP時に覚える呪文は自分では選べない。朝目覚めるとLvが上がっていて新しい呪文を使えるようになっている仕様だ!


 黙って聞いていたリースが静かに口を開いた。


「アレかしら?風の噂で聞いた伝説の……病?って言うのかしら? ……確か……アル……」


「アルーハイム症候群……ですか?」

「そうそう、それそれ」


 俯く彼女。

「ご、ごめんなさい。悪気は無いのよ!悪気は……」

「先生、私どうしたら……」


「私も詳しくは識らないのだけど、主な原因は2つと言われているわ。1つは信仰心の不足。もう1つはLvの不足よ。この症状は、Lv.UP時に信仰心が上がらない人に多いらしいわ」


「まあ、そのうち覚えるわよ。頑張って!」

「そ、そうですか……」


 あまり納得いかない感じではあるが、サヤカはひとまず保健室を後にした。




「あー疲れた……。若いんだから悩む前に行動あるのみよ」


 ……コンコン


「げっ!また誰か来たわ……はーい!どうぞ~」


 静かに開いた扉から、エルフの男子生徒が現れた。


「先生、実は……」


 男子生徒曰く、付き合い始めて間もない同学年の彼女の評判が良くないらしい。どうやら性格が悪いとの事だ。


「ダンジョンで扉ガチャガチャしてスライム見逃してれば、その内性格変わるわよ。はい、以上!」

 保健室の丸椅子をクルリと回し、男子生徒生徒の背中を押すリース。あしらい方が実に適当である。



「どれ、今日はもう店じまいにするか――」

 両手を伸ばし、背筋を伸ばした先に見えたのは、フェアリー用の扉から現れた女子生徒だった。


「…………いらっしゃい。さあどうぞ」

「遅い時間にすみません」

「いいのよ、気にしないで」

 スイッチの切れかけているリースの頭の中は酒のことでいっぱいであった。


「私こう見えてシーフなんですが、宝箱の鑑定が上手く出来なくて……」

 モジモジしながら話す彼女。


(フェアリーの選択肢はシーフか忍者かメイジしか無いから別に意外でも何でもないけどね……)

「貴女、名前は?」

「クッキーといいます」


 その名前にリースはすぐにピンときた。


「Kの系譜。頭文字がKのシーフは総じて鑑定成功率が低いの。古事記にもそう書かれているわ」

「私の頭文字Cなんですが……」

「カキクケコのKよ!」

 顔を赤くして声を荒げるリース。


「兎に角!転職を薦めるわ。メイジか何ならプリーストにしなさい」

「あ、メイジにします」


 女子生徒は即決でそう伝えると小さな扉を開け閉めして出て行ってしまった。



「もうやだ……絶対私保健室の先生に向いてないわ……orz」

 リースの苦悩が保健室に響き渡るも、それに答える者はいなかった……。

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