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いつもの4人 ②

 結局、東の通路でも得るものは無く、西の通路へ進む4人。


 時々現れる黒い影を容赦無く消滅させていくリースに男連中は竦み上がっていた。


「しかし、モンスターが少ない気がしないか?」

 リーダーの声に、一同は無言で頷いた。


「大抵こういう時は、大物が居るんだよな」

 西の通路の行き止まりの壁を撫で、4人は残された南の道を進み始める。


 それはすぐに現れた。


 大きなクチバシに大きなトサカ…………少し大きなニワトリが居た。


「おい、ニワトリ?がいるぞ」

「なんだアレ?」

「お腹空いたわね」

「ププ……ごめんよ、オイラ笑いが……」


 ニワトリ?は4人に気が付くと翼を羽ばたかせ、威嚇をしながら向かってきた!!



  ニワトリ? 1


「焼いて食ってやる!」

 エルの火炎弾がニワトリ?に着弾した!

 しかし、僅かに怯むも直ぐに立ち直る。


「ちっ、耐性持ちかよ!」

「次はオイラだ!」

 フェリーは素早く小刀を振るった!

 ニワトリ?のトサカがポトリと地面に落ちる……。

 しかし、ニワトリ?は意に介さずエルへ向かって突き進む!


「コイツ早いぞ!」


 エルが逃げるが、ニワトリ?は圧倒的な速さでエルに追い付くと、エルの身体をついばみ始めた。


「痛て!痛てて!」

 エルの服はニワトリ?のクチバシで穴が空いてしまった。


「ああ!お出かけ用の一張羅が!!」

「何をアホやってるのよ!」

 リースが呪文を詠唱すると、鋭い氷の槍がニワトリ?貫く勢いで発射された。

 氷の槍がニワトリ?の身体を貫く!

 しかしニワトリ?は氷の槍が刺さったまま、エルをついばむのを止めない。


「どう言う事なの!?」

「いでで!助けてくれ!俺の一張羅が無くなる!」

 地面で蹲る(うずくまる)エルの服はビリビリに破かれ、情けない姿を晒していた。


 フェリーが小刀で斬りつけるも、手応えこそあるものの血は流れず生命活動が終わる気配は無かった。


「……魔法生物かしら?リーダーはどう思う?」


 振り向くリース。しかしそこには誰も居なかった。


「リーダー?」

 部屋の隅で壁に向かって座るリーダーが居た。


「ん?ああ、どうやらコイツの友達みたいだな」

 リーダーが立ち上がり親指で後ろを指すと、そこには白骨化した死体があった。

 リーダーは一つの古めかしい手記を手に持ち読め始める。



 ――偶然見つけた地下五階。そしてここに住む不思議なニワトリと遭遇。いくら呪文を打ち込んでも止まる気配が無く、私の服は彼のクチバシでボロボロにされてしまった。


 しばらく彼を調べて分かったことをここに記す。


 ① 彼は対象の服を全て破いたら興味を失う。

 ② 時間はかかるが、ダンジョンの魔力を得て再生するようだ。

 ③ 此方の命を奪う程の凶暴性は無い……はず。


 調べるうちに愛着が湧いたので、最後は彼と共に居ようと思う。名前も決めた。マフィーと名付けよう。


 どうか願わくば、マフィーを見つけた人達が優しい人でありますように――



「……だとさ」


 リーダーが手記を読み終え一同が振り向くと、そこには満足げな顔をしたマフィーと全裸のエルが居た。


「ひでぇぇようぅぅ!」


「情けない声を出さないでよ。こっちが恥ずかしくなるわ」


「とりあえず一回帰るぞ。通路まで引け!」


 4人が小部屋を出ようとすると、マフィーの隣りに最初に見た霊体が現れ、此方へと手を振った。釣られてマフィーも翼を振る。


「死体の主かしら?」

「だろうな。死して尚一緒に居たい程、お互いを気に入っているんだろうな」

 どこか愉しげな表情の霊に見送られながら、4人は脱出呪文で地上へと戻った。


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