死地より愛を込めて ①
「まさかこんなに早く地下7階に入る日が来るなんてな……」
リーダーを先頭に、6人は地下7階を密かに進んでいた。
辺りは物音1つせず、6人の鼓動だけが高らかに響く。
「……泉だ」
6人の目の前に綺麗な泉が現れた。
リーダーは喉を潤したい願望を堪え、荷物入れから干し肉を取り出しては泉に浸した……。
すると、最初は浮いていた干し肉はガチガチに石化し、やがて沈んでしまった。
「ダメだ。ここは使えない」
6人は諦めて先へと進む。
…………
……………………
「待て」
リーダーの合図に全員の足が止まった。
リーダーは耳を澄ませ、通路の先へ意識を集中させる。
「戦闘音が聞こえる。城兵か?」
リーダーは静かに音のする方へ近付き、様子を覗った。
そこには、膝をつき剣を握るナデシコがいた。
リーダーは慌てて手招きをし、全員を呼び寄せた。
5人が静かに覗き込むと、そこにはサキとアンナ、コットンが小さな悪魔の群れと闘っている最中であった!
「何でアイツらが居るんだ!」
思わず声がでるエル。
サキの呪文で悪魔達を一掃すると、サキは小悪魔的な笑いを浮かべこちらに近寄ってきた……。
「居るんでしょ?いらっしゃいな」
リーダーが顔を出し、遅れて5人が姿を見せた。
「な、何してるんだ?」
エルが少し慌てて問い掛けた。
「ふふ、女騎士様の護衛よ♪ この人弱すぎて話しにならないから私達が助けてあげてるの~」
サキは冗談めいた言葉で答えた。
「他の城兵はどうした?」
リーダーの言葉に顔色が変わるナデシコ。
「女騎士様が無茶させて死んだわよ♪」
ナデシコは目を背け顔を隠す。
「は!?」
ナデシコに詰め寄るリーダー。
しかし、ナデシコは目にいっぱいの涙を浮かべ、泣くのを堪えていた。その姿に驚いたリーダーは何も言えなくなってしまう。
「くそっ!」
リーダーは行き場のない拳を振り、空を斬った。
「じゃ、私達はこっちに行くから、貴方たちはあっちからどうぞ」
そう言うと、サキは3人を連れ二手に分かれた片方へ消えていった。
リーダーは暫く動けなかった……。
リーダーが何故そこまでの怒りを露わにするのかは、フェリーにしか分からなかった……。
「リーダー。オイラたちも先へ行こう……」
「そうだな、すまん」
リーダーは気を取り直してもう片方の通路へ進んでいった……。
何故?サキとアンナがナデシコに協力するのか?
誰もその事を聞けずにいたが、今は探索に集中することが先決だと思い、無心で進むことにした。




