ドラゴンの巣 ②
マザー・オブ・ドラゴン 1
「サポートへ回るわ……」
骨の身体相手に弓が効かないと判断したカリンは、呪文を詠唱し始めた。
「ドリャァ!!」
グレイの槍がドラゴンの足骨を捉えた!
しかし、骨には僅かな切り傷が付くだけでダメージは入らなかった。
「硬いぞ!」
「ああ!それに表情が読めない!何が来るか判らないぞ、気を付けろ!!」
リーダーは適度な距離で機を窺っている。
「どいてろ!デカイの行くぞ!!」
エルの掌から無数の岩石が飛び出し、ドラゴンに襲いかかった!
ドラゴンは脚を取られ地面に倒れた。
そこへトドメの巨大な岩石がドラゴンの顔にぶつかると、ドラゴンの頭蓋骨は大きく穴が空き、顔の右半分が無くなってしまった……。
「はは、マジかよ!」
エルは笑うも顔には冷や汗が出ていた。
ドラゴンは機敏な動きで立ち上がり、下顎を揺らしながらグレイに向かい口を開き襲いかかる!
骨だけとは思えない俊敏な動きはグレイの脇腹を捉え、恐ろしいほど鋭い牙がグレイの腹に突き抜けようとしていた!
「ガハッ!」
深々と突き刺さる牙はどんなに藻掻いても抜けることは無い。
ドラゴンの下顎からはグレイの鮮血が流れ落ちていた。
「行け……」
詠唱を終えたカリンが指をドラゴンへ向けると、一瞬だけドラゴンの動きが止まり、グレイは力の弱まった顎から辛うじて抜け出し地面に落ちた!
「……オブッ!」
顔から地面に落ちたグレイ。脇腹からは未だ出血が止まらない。
「任せて!」
リースが治癒呪文を詠唱する。
使い慣れた呪文は詠唱の必要時間が大幅に短くなっており、グレイの傷は瞬く間に塞がっていった。
「立てる?」
「ああ、すまない」
リースがグレイを引き起こすと、ギギギ……。
ドラゴンの動きで関節が軋む音が聞こえる。
2人は急いで持ち場へ戻り、己の役割を再開した。
「オイラが囮になる!」
そう言うと、フェリーはドラゴンの目の前でヒラヒラと挑発するかの様に舞い始めた。
ドラゴンの爪と顎をギリギリ躱し続けるフェリー。
「いいぞ、その調子だ!」
リーダーがドラゴンに向かって走る。
「ほらほら、こっちだよ!」
エルはドラゴンの気を引くように岩石呪文を当て、リーダーへ意識を向かせないようにした。
「……危ない」
ドラゴンの爪がフェリーに当たる直前、ドラゴンの動きが再度止まった。
「ありがとうカリン!オイラ挽肉になるところだったよ」
「と、言う訳で……トドメだ!!」
リーダーの渾身の一撃がドラゴンの背骨を粉砕する!
ドラゴンはガラガラと崩れ落ち、二度と動くことは無くなった……。
「何とか倒せたな」
一息着く一同。
「ここはドラゴンの巣だったのか?」
エルがドラゴンの遺骨に近付くと、ドラゴンは何かを護るように倒れた事に気が付く。
「何だこれ……?」
それは古く、苔生した卵だった。
既にヒビ割れ穴が開き中身は無いものの、割れ方からして孵化せずに終わった命だと思われる。
このドラゴンは今までの間ずっと、産まれてくることの無い我が子を護り続けていたのであろう……。
例えその身が朽ちたとしても……。
「安らかに眠れ。歳老いた母親よ……」
リーダーは母ドラゴンに一別すると、骨の一部を採取し荷物入れにしまった。
「さて、いよいよ地下7階だ。死んでも恨みっこ無しだぞ」
その言葉はまるで自分に言い聞かせるかの様に聞こえた……。
10万字とか書いている人は凄いと思いますね。
物語が長く続くと、どうしても同じ文章や表現が多くなってしまい、その人の国語力を試されている気がします。
私の国語力は……無いです( ´∀`)




