破竹の決死行 ②
Ⅶが好きです。それだけははっきりと真実を伝えたかった……。
呼気をやられた兵たちは、腰の道具袋から小さな手投げ弾を取り出した。
ピンを引き、ドラゴン達の方へ投げると一瞬の轟音と炎熱が辺りを取り囲んだ!
盾が飛び、四肢が欠損するも、ドラゴン達の闘う意思は潰える事は無い。
最後の力を振り絞り、ドラゴン僧侶は呪文を唱える。
詠唱の成果を見る事無く力尽きるドラゴン僧侶。兵たちの頭上に現れた巨大な岩盤は兵たちを押し潰し、見るも無残な姿へと変えてしまった!
ドラゴン戦士は兵の死を見ると、一矢報いたかの様な顔でうつ伏せに倒れ、息絶えた。
ナデシコはドラゴンメイジへ斬りかかり腰から真っ二つに切断するも、横から飛んできた氷塊が酸で朽ちた鎧を砕き、ナデシコの身体にめり込んだ。
その場に倒れ、意識が霞むナデシコ。
もう兵の姿は一兵も無い。
ナデシコは死を覚悟した……。
何かが焼ける様な臭い。
誰かが倒れる音がし、数人の足音が響く。
「モシモーシ? 生きてますか〜?」
ナデシコの目にはギルドに居た下品な女の姿が映った……。
「立てますか?」
差し伸べられるホビットの手を振り払い、己の力のみで立ち上がるナデシコ。
魔族の女2人とホビットの妙な組み合わせ。
「誰だ……。城の者ではないな」
ナデシコは息も絶え絶えに話しかける。
「そう言うアンタは最近来たっていう女騎士様ね!ボロボロの死にぞこないだったから、最初誰だか分からなかったわ〜」
わざと煽る様に話す魔族の女。
「姉上!」
煩そうな魔族の女が声を挙げる。
「すみません。ボクはコットンと言います。こちらはサキさんとアンナさん」
「……それで、死にぞこないに何の用だ?」
剣を杖代わりに立ち続けるも、足がふらつくナデシコ。
「私たち、この先に進みたいのよね。どうする?アンタも来る?」
嘲笑うかの様に見つめるサキに決して気が合わぬ犬猿の仲を感じたが、兵を失いおめおめと帰れないナデシコは、仕方なくサキ達について行く事にした。
「手当てをしますね」
コットンはナデシコの治療を始めた。
「どうやって殺ったんだ?」
頭部に風穴の開いたドラゴン僧侶を見て、ナデシコはサキに聞いた。
「これよ♪」
サキは胸元から近未来的な光線銃を取り出した。
「ま、今時ラッパ銃使うヤツに説明したって分からないと思うけど!」
サキは銃口をナデシコへ向け、撃つふりをした。
「貴様!レモ将軍から頂いた最新式銃だぞ!」
「それが時代遅れだって言うのバーカ!」
治療の終えたナデシコはすっかり元気になっていた。
「いいわ、私たちの闘いを見せてあげるわ」
4人は地下7階への階段を降りて更なる地獄へと進んでいった……。




