破竹の決死行 ①
今回出てくる酸の表現は、酢を入れ過ぎてすすれなくなったラーメンに近い物があります。
「進め進めーーー!!」
ナデシコの号令と兵隊の足音が、ダンションの奥まで高らかに響き渡る。
「敵襲! 全軍発砲!!」
先頭を猪突猛進に突き進み、敵が現れると腰にぶら下げたマスケット銃を取り出し、次々に発砲していく。
狙いは甘いが高威力の銃弾に物を言わせ、数打ちゃ当たる作戦で押し切っていた。
そしてナデシコ隊は地下6階まで到達した……。
* 未探索 *
かつてリーダーが残した印が、ナデシコ隊を歓迎する。
「地下7階への階段は、おそらくこっちだろう。全軍! 我に続け!!」
ナデシコは印を削り剣を掲げ、前人未到の未探索区域へと足を踏み入れた。
存在を売り歩く様な傲慢な侵入者に、地下6階はモンスター主催の歓迎会と相成った!
巨人 2
羽ばたく牙 5
おぞましい憎悪 2
「放て!!」
耳をつんざく様な発砲音が辺りに響く。
的の大きな巨人は体中に銃弾を浴び、全身から血を流しながら倒れた。
ナデシコは剣を構え、宙を舞う生物に向かって紫電一閃の如く剣を振るった!
剣から放たれる衝撃は空を斬り裂く衝撃波となり、羽ばたく牙の群れを容赦無く切り刻んだ。
ボト、ボト……とバラバラ死体が地面に落ちる。
おぞましい憎悪の醜悪な霊体は、兵士の顔をサッとすり抜けた。
すると、兵士の顔に火傷でただれた様な跡が残り、一瞬遅れて強烈な激痛が患部を襲った!
「霊体に銃は効かん! 呪文を使え!」
おぞましい憎悪に炎呪文の嵐が吹き荒れる!
赤い炎の中、不気味な笑顔で笑いかける霊体は徐々に姿を消し、炎が完全に消える頃には消滅していた……。
「よし!次行くぞ!!」
ナデシコは剣を掲げ、足を進めた。
後続の兵は火傷の治療に当たるが高位の治癒呪文でも中々回復せず、彼等は自分達が『決死隊』である事を再認識した。
ナデシコ隊は小部屋の前に到着する。
扉から様子を探るも中は静かで、入るより他方法が無かった。
「いくぞ」
ナデシコは扉を押し、中へ突入する!
中は咽返る様な酸の臭いで充満しており、深く息を吸うと咳き込んでしまう様なガスが漂っていた。
仕事中と思われるドラゴン族の戦士たちがナデシコ隊に気付くや否や、持っていた物を放り出し、直ちに襲い掛かってきた。
誰も躊躇う事は無い。何故ならここでは勝った者が正義なのだから!!
ドラゴン戦士 3
ドラゴンメイジ 2
ドラゴン僧侶 1
「集中砲火!!」
銃口が一斉にドラゴン僧侶へと向く。
ドラゴン戦士たちは竜鱗で出来た盾を構え、ドラゴン僧侶を庇う様に集まった!
カン!カンカン!! キン!キン!キンッ!
まるで金属を撃った様な手応え。
ドラゴン戦士の皮膚を銃弾が突き抜ける事は無く、全て弾かれるように防がれてしまった……。
ナデシコは盾を構えるドラゴン戦士の死角から素早く近づくと、足の関節を狙い静かに剣を払った。
一瞬の内に1人のドラゴン戦士は片足を失い、血だまりを作りながらもがき始めた。
ドラゴン戦士は腕を振り回し爪でナデシコの顔を狙った!
籠手や鎧は爪で傷付き、先ほどまで新品同様だった防具は一瞬のうちにズタボロになってしまった。
ドラゴンメイジは口から黄色いブレスを吐き出した!
淡い黄色の液体は発煙しながらナデシコ隊の視界を奪い、呼吸器が吸収を拒否しひたすらに咳き込んでしまう程強烈な酸であった。
ナデシコは顔にガスが触れ、皮膚がピリピリする感覚を覚えた。
鎧が酸と反応し泡立つ!
ナデシコ隊は初めて喰らう強烈な酸を前にして、詠唱する事が出来なくなってしまった!




