女騎士様がやってきた!
コマンドーやランボーが異世界ダンジョンを武力で制圧する話があったら面白そうだと思いました。
既にあったらどうしよう……。
「父上、長らくの遠征より只今戻りました」
彼女は白銀のプレートメイルに身を包み、腰まで伸びた黒髪と気品溢れる優雅な手捌きはまるで繊細な洋食器を思わせる程美しく、凛々しくも儚げな瞳は見る物を虜にする魔性を秘めていた。
「うむ、はるか遠方より騎士としての活躍は聞いておったぞ。久方の再開を嬉しく思う、暫くはこちらでゆっくりするが良い」
彼女は国王の前から下がると、自室に戻り私服に着替えた。
ゆっくりしている暇は無い。私はあの忌々しいダンションを一日でも早く潰したいのだ!
彼女は1人静かに街へと足を運ぶ……。
昼間のギルドは冒険者で溢れており、これからの活躍に胸を躍らせる者。これからの生活に胸が苦しくなる者。始まりの希望と終わりの絶望が交差するこの場所は、いつ見ても不思議な光景だった……。
「あれは……魔族か?」
下品の一言に尽きる女が、ギルドの受付と話している。
本来なら討伐されるべき種族が冒険者となる。世も末だ……。
ボッタ商店は相変わらずの盛況ぶり。独占的な商売を許している父には悪いが、私はこの男が嫌いだ。反吐が出る。
近いうちに必ずお前の仕事を奪ってやるぞ……。
店に入っていくトカゲ男を一別し、私は足早にその場を去ることにした。
昼間の酒場は閑静としている筈が、とある店からは騒ぎ声が聞こえる。
どうせ怠惰な冒険者に違いない。私は窓から少し様子を覗う……。
店の中では派手に酔ったエルフ、凛々しいホビット、だらけた妖精、他多数が昼間から騒ぎ立てていた。
私は冒険者という生き物が嫌いだ!
ダンジョンの血肉を糧としながらも、日々の鍛錬を怠り酒と己に酔い自ら死へ歩いて行く。奴等のためにこの街を作ったと思うと全員斬り捨ててやりたいくらいだ!
「でさー。……ん?……げ!!」
1人の男と目が合う。
ほぉ……。以前は気迫に溢れる戦士だったが、今ではこんな体たらくか!
やはり冒険者は1人残らずカスだな!!
城へと戻る彼女の後ろ姿は、邪悪な決意と確固たる責務を漂わせていた……。
「リーダー?急にどうした……」
「アイツが帰ってきた……」
まるで母親に怯える子の様に震え、リーダーは固まってしまった。
「誰か居たのか?」
「……ああ、とびっきりの死神がな」




