サキとアンナ ②
エルが朝寝覚めると、昨日の記憶が無い事に気が付く。
「いつの間にか寝たのか……?」
ふと隣を見ると、サキュバス姉妹が一糸纏わぬ姿で寝息を立てていた。
自分も服を着ていない……。
「…………………………」
全てを覚ったエル。
ゴミ箱がド偉いことになっているのは無視しておこう。
家中に充満している男と女の匂いを換気し、シャワーを浴びながら今後について考えた。
シャワーから上がると、姉妹がベッドから起き上がり盛大な欠伸をしている。
サキは相変わらずワイシャツにホットパンツだ。
妹のアンナは多少のお淑やかさが備わっているのか、デニムのコートとデニムのズボンを着用していた。
デニムに映えるヒップラインはある意味お淑やかとは対極の位置にある。
「アンナは剣が使えるのか?」
アンナは黙って頷いた。
「サキは呪文タイプか?」
「まぁそこそこ使えるよ」
「よし、じゃあどっかで朝飯食いながら作戦会議だな」
3人は支度をし、近くのカフェテリアへと出かけて行った。
カフェエリアへつくと、サンドイッチや飲み物を適当に取り席に着く。
「まず、2人には冒険者としてギルド登録をしてもらう」
エルの発案に嫌そうな顔をする2人。
「自分の食い扶持ぐらいは自分で稼いでもらわないと。慣れるまでは俺がサポートするから大丈夫だ」
「まぁ、それならいいわよね?」
サキはサンドイッチを手に取り、隣に座るアンナを見た。
アンナはサンドイッチを食べながら無言で頷いた。
「よし、じゃあこれ食べたら早速行こうぜ」
「で?二人は職業は何にしたんだ?」
ギルドの入り口で2人を待っていたエル。
待ち時間の暇つぶしに読んでいた冒険者用パンフレットに懐かしさを感じていた。
「ジャン!」
得意げに見せびらかした書類には、ヴァルキリーとアルケミストと書かれていた……。
「サキはアルケミストで…………待て待て、アンナお前善なのか?」
職業選択の条件として、ギルドによる性格診断がある。
一定の基準を満たさないとその職業に就けない決まりがあるので、皆自分の性格に合った職業を選んでいるのだ。
「(サキュバスの中では)善です」
ちょっとムスッとするアンナ。
「分かった、分かったよ……」
エルは考えるのを止めた。
「オーケー。それじゃあダンジョンに行ってみようか」




