表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
118/130

血塗られた黒の夜 ①

最終探索になります。

 カズハが目を覚ます


 咄嗟に起き上がり、隣りに座っていた2人の顔を見る


「…………」


 静かに首を振るクリスタにカズハは項垂れた……。


「…………まだ間に合いマース」

 エリカの言葉に救いを求めるが如く2人は首を捻った。


「居るんでしょ?ドビキリ強いボーケンシャが」


 あっ!と2人は顔を見合わせ、3人は急いでダンジョンを登り始めた。道中、折れた刀で闘うカズハとマスケットで支援するエリカ。2人を支えるクリスタの顔には一点の曇りも無かった。


 ロードを助けたい。その思いだけが彼女等を突き動かした――――!




「たのもーー!!」

 酒場の扉を勢い良く開けたカズハ。中で酒を飲んでいたいつもの面々がニヤニヤしてカズハを見るも、クリスタとエリカの姿が見えると何かを察したかのように真面目な表情で迎え入れた。


「かくかくしかじかで……………………」


「何!!ワーナーが生きている上に、デアスの奴が加担してるだと!?」

「私まだ、かくかくしかじかしか言って無いけど……」

 驚き席を立つリーダーと『かくかくしかじか』で通じた事に驚くカズハ。


「大変だ!師匠を呼ばないと――ってあの3人酔っ払って隣街のエルフのいかがわしい店に行っちまったんだった!」

 エルはアチャーと言った感じで顔に手を当てた。


「アンタ弟子でしょ!何とかして呼びなさいよ!」

 リースがエルの椅子を軽く小突いた。

「無理言うなよ!歩いて何日も掛かる隣街まで転移呪文で行きやがったんだぞ!?俺にはそんな力は……無い!」

「使えない弟子ね!」

 リースは仕方なく呪文で全員の酒を抜き始めた。


「すみません……一緒にロードさんを助けて貰えませんか?」

 クリスタは深々と頭を下げる。それに続いてカズハ、エリカも頭を下げた。


「ワーナーが生きてるとなれば話は別だ。今の内に叩く必要があるな。アイツはついでに頭でも叩いて正気に戻してやるか」

 素面に戻ったリーダーが変な剣を取り支度を始めた。


「師匠の後始末は弟子の役目だからな……仕方ねぇ」

 エルも渋々席を立つが、何処と無く嬉しそうな表情である。


「100000G……グフフ」

 フェリーは既に皮算用を始めていた……。


「夜にダンジョンへ向かうのは気が進まないけど、緊急事態なら仕方ないわね。行きましょう!」

 毒抜きを終えたリースも支度を整え始めた。


「皆さん……ありがとうございます!」

 クリスタは再び大きく頭を下げた。


「お前らも行くんだろ?はぐれずに追いてこいよ」

 リーダーの手招きに、3人は顔を見合わせた。


 この人達なら、きっと何とかしてくれ……るかも?

 不思議と何ら確信の無い自信が湧いてくるのであった。


「でもよ、そういやリーダー転職したからLv.1じゃね?」

 エルがボソッと漏らした……。


 3人は再び顔を見合わせ

「やっぱりダメかも……」

 言葉には出さずとも訝しげな表情が全てを物語っていた……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ