垢抜けない昼下がり ~群雄②~
「久しぶりだなワーナー。とっても逢いたかったぜ?」
ドレッドは皮肉を込めて冷たく言い放った。
「ほっほっほっ!ワシは二度と会いたくは無かったわい!」
ワーナーは笑い声を上げた。
「ワーナー!!」
「ナッツの敵討ちだ!!」
ダンカンとバルハラが声を荒げ、殺意を剥き出しにした。
「相変わらずつまらない奴等だ。しかし放っておくには鬱陶しいのぅ……。3度目は無いと思え!!」
ワーナーの目の色が変わった!
ワーナー 1
ナデシコ 1
「死ね!!」
ワーナーが手を交差させると、辺り一面に大小様々な毒虫が天上から現れ、全員の膝まである毒虫の海が一瞬で出来上がった!!
「な、何だ!止めろ!身体を登ってくる!!」
「う、うわわわわ!!!!」
ダンカンとバルハラはパニック状態に陥った!
毒針に刺され顔を齧られ、痛みの余りダンカンとバルハラは毒虫の海を転げ回り、毒虫の海に飲まれていった。しかし、ドレッドは至って冷静に対処する。
――――パチィン!!
ドレッドが指を鳴らすと、激しい風と共に毒虫が次々と吹き飛ばされていく!
「大丈夫だ!ただの幻影だ!」
飛ばされた毒虫達はワーナーとナデシコの身体をすり抜け何処かへと消えていく……。
「ホホ……ホ」
少女が転げる2人を狙い、素早く手刀を振りかざす。
「させねぇよ!」
ドレッドが2人の方へ手をかざすと、地面から屈強なゴーレムが2体現れた!
ゴーレムが身代わりとなり、少女の手刀を受け真っ二つになった……。
「相変わらずクズのおもりは大変そうだのぅ……」
ワーナーがニタリと汚い口を開いた。
「やかましい!!」
ドレッドは雷撃呪文を放った!神雷と呼ぶに相応しい大迫力の光がナデシコに直撃する!!
「―――ピ、ガ……ガ……」
ナデシコはその身から黒い煙を上げ、地に伏せった。
「おお!ナデシコよ!」
一瞬ワーナーが狼狽えた。
「今だ!!」
正気を取り戻したダンカンとバルハラが低姿勢からワーナーへと掴み掛かった!
「な、何をする!離せ!!」
腕を捕まれ、足も踏まれているためワーナーは自由が効かない。力では叶わないワーナーはどうする事も出来なかった。
「どうせここで殺しても不老不死だ何だで殺せねぇんだろ?」
ドレッドが僅かな詠唱に入る――
「何をする気だ!止めろ!」
足掻こうとするワーナー。
「ちょっと場所を変えるだけだよ……」
ワーナー、ダンカン、バルハラ、ドレッドを優しい光が包み込む。
一瞬の暗転の後、一同は玄室へと転移した。
ダンカンは掴んでいた腕を放し、足を踏んだまま思い切りワーナーの顔にパンチをお見舞いした!
――――メキョ……
ワーナーの口から歯が1つ飛び出し、きりもみしながら壁に激突した!
「おう、俺の分も残しとけよ」
バルハラが両手の拳を打ち付けた。
「く、クソ共が!ナデシコと離したつもりだろうが直ぐに――」
ワーナーは詠唱に入る動作をした瞬間に気が付いた――!
「出口は俺達の後ろだ……さあ、この呪文禁止エリアで貴様に何が出来るかな?」
ドレッドの不敵な笑みがワーナーに突き刺さる。
「今度はどっちがクズか教えてやるよ!!」
バルハラの拳がワーナーの鳩尾にめり込む……
「……っぅ!!」
ワーナーは痛みで声にならない。
起き上がることの出来ないワーナーの喉元に、2人の剣が突き付けられた。
「終わりだな……」
ドレッドは勝利を確信するも冷静に圧し殺し、最後の時まで警戒を続けた……。




