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―WizardRye― 〜灰だらけのシスターと酒まみれの冒険者〜  作者: しいたけ
棺の山のクリスタと堕ちた男
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オークスとの死闘 ②

「……がっ……あが…………」


 リーダーは既に虫の息だ。放っておけばすぐに死ぬだろう。


「すまん、俺も……」

 グレイは即死こそは避けたが、傷は深く右手は地面に落ちていた。


 オークスは咄嗟に振り返り刀を振る。


 ――ガキィィン!!


 強烈な金属音!

 目を赤く染め上げたフェリーの顔は、冷静かつ無表情のまま怒りで溢れているようだった。


「やっと出て来たな?」

 体格が何十倍と違うフェリーが、オークスの刀をジリジリと押していく。


「……………………」

 フェリーは無言のまま刃を逸らし、オークスの顔を斬りつけた!オークスの頬からはドス黒い血が流れる。


「ボケカス妖精が……」

 オークスは地面に痰を吐く。


「カズハ!!クリスタを連れて逃げろ!!」

 ロードは治療を終えたクリスタの身を案じた。ココでの全滅は街の終わりを告げると思ったからだ。


「でも!旦那が――!!」

「帰りの護衛を頼む!!」


 カズハは奥歯を噛み締め、苦渋の決断でクリスタの手を引きその場を後にした。



「そこのトカゲ!スマンがあと少し何とか頼む!」

 もう半分ほど意識の無いグレイを呼び起こし、ロードは首から下げていたアンクをリースの手に握らせた。




 やがてアンクは優しい光を放ち、リースは立ち所に蘇生!しかし、アンクは灰になり、パラパラと地面に落ちた。


「…………あれ? って何これ!!」

 リースの前には片手の無いグレイと首の無いロードが重なるように倒れていた。

 その先でオークスが光輝く飛行体と闘っている。


 そしてリーダー…………彼の死体が目に入ると突如として恐怖に襲われた!!


「いやああああああ!!!!」


 リースの悲鳴にオークスが気が付く。

「ん!?女が生きてるぞ……小賢しい!」

 オークスはリースへと方向を変える。


「…………」

 フェリーが光の速さで先回りし、オークスの腕を斬りつけた。

「ちっ!邪魔するな!ハエみたいに飛びやがって……」



 オークスは数歩退き、口からブレスを吐き出した!

 フェリーは素早くオークスの後ろに回り込む!!


「ハァァァ!!!!!!」

 オークスは今度は辺り一面に響き渡る大声で叫んだ!

 これにはフェリーも怯み、動きが止まる!


「シッ!!」

 振り向きざまのアッパーがフェリーの身体を真芯から捉える。勢い良く飛ばされたフェリーはベチャ!と音を立て天井に叩きつけられた。


「……リー……ス」

 消えゆく意識の中、彼が最後に目にしたのは立ち上がるリーダーとロードの姿であった。




「……散々仲間が世話になったな」

「貴様はココで殺す」

 リーダーは半身しか無い剣を構え、ロードは詠唱を始めた。


「死に損ないが……何度も何度も何度も!馬鹿は死んでも治らない様だな!!」


「禁呪『ポリフォニックスペル(多重詠唱)』!!」

 《自動回復》《分身》《加護》《障壁》《鋭力》

 ロードの五重奏が辺りを包こんだ!!


「何をしても無駄だ!」

 オークスは勢い良くロードへ斬り掛かった!ロードは呪文で強化された剣で受け止める!


 リーダーが剣を振るうと、オークスは後ろへと飛ぶ。

 しかしその刹那、オークスの腰に矢が3本突き刺さった!!


「ちっ!次々と……」

 なんと、蘇生したカリンが依然凛とした表情で矢を放っていた!


「……………………」

 隠す気の無い殺気がオークスの後ろから襲い掛かる!!

 オークスはそれに間に合わず素手で受ける!


(もう高位蘇生は弾切れよ……グレイごめん)

 連続して蘇生呪文を唱えたリースは疲れ果てていた。


 指を数本失ったオークスが、息を荒くし刀を収める。

「また纏めて死ぬがいい!」


「マズい!また来るぞ!」

「…………」

 一同に再び死の恐怖が躙り寄る。


「カス共が…………許さんぞ!!!!」

 オークスは刀に手を掛け、力の限り抜き放った!!



「禁呪 リ・インカーネーション!!!!」


 迸る剣閃とリースの呪文が辺り一面に広がった!!

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