4.英雄の襲撃
【剣の英雄の見た目】
男、金髪、碧眼、身長は180〜190程度、三白眼の美形、体格は細マッチョ....こんなもので伝わってくださることを切に願います。表現乏しくてすみません...orz
読んでいる途中で分からないことがあれば後書きを先に読んでみて下さい。解決するかもです...
いや〜疲れた。でも、この調子なら花蓮を仲間に加えられそうだし収穫はかなりあったな。
にしても、戦って見たいなぁ...俺の書いていたとおりなら、アレスは神の座に挑み、敗北した。しかし、だ。アレスはただ敗北した訳ではない。むしろ勝利したと言ってもいいものを神の座より手に入れた。その力を試したいんだよなぁ....このことは俺とアレスしか知らないんだが....
「どうかしたか花蓮?」
なんとなく彼女の方を見ると元々白かった顔がさらに白く、蒼白になり身体が小刻みに震えていた。
「......いぇ、気のせいでしょう....流石にあの傷では...き」
『ドゴォォォォォ‼︎』
彼女が言い切る前に俺達の真横、正しくは、ついさっきまで俺達が飛んでいた地点に寸分違わず極太の光線が轟音と共に過ぎ去っていった。その光線からは魔力が一切感じられず、俺ですら一瞬何が起きたのか、光線の正体がなんなのか、全く理解できなかった。
しかし、今はそれどころではない!まずはこちらの体勢を整えなければ....
「レティシア!花蓮の魔力と君の闘気を全て護りの結界と推進力に回せ‼︎結界6に対して推進力が4だ!できるな⁉︎二人とも」
『「はい!」』
よし、二人は大丈夫そうだな...しかしそれではまだ足りない。確実に逃げ切るには俺が奴の相手を引き受けるしかないだろうな....全く、これも神を自称する者共の意思なのかね....
舌打ちしたい気持ちを押し殺し皆を見る。そして.......
「よし!では皆、城で会おう‼︎」
「えっ!」
『は?....え、ぇぇ⁉︎』
反対される前に一言伝えた後、直ぐに彼女の背から飛び降りた。
『ドゴォゴォゴォゴォゴォゴォ‼︎』
さっきより威力は落ちている(一撃で城壁の一部が消し飛ぶ程度)だろうが、その分連射性の高い闘気の塊の雨が俺に降る。それに対し俺は、相手の攻撃を『天翔け』によって全て躱し、龍闘気を全て身体強化に充て防御力・身体能力の底上げをしながら地面に降り立つ準備をする。
よし、準備はできた...なッ‼︎
『ドン‼︎‼︎』
地面に降り立つ直前、空気が消し飛ぶかのような衝撃と伴に俺は岩盤が剥き出しの崖に向かって吹き飛ばされた。
『ドババババァン‼︎!』
岩盤に到達してもなお勢いが落ちることはなく、大きな爆発音と伴に岩盤の奥深くにめり込んだ。俺はギリギリで強化とガードが間に合ったおかげで無傷だが....
「流石にこれは参った....まさか勇者が現らわれるとは思わなかったな...」
彼女達は無事に逃げられただろうか...考えても仕方ないな....やれるだけはやってやるさ!
《...存在拡張・神気解放・神性領域強制...突破!神を殺す力を私に...神化、カグヅチ》
詠唱を終えた途端、俺の中からとてつもない力が文字通り白い炎となって噴き上がった。そのせいで、めり込んでいたはずの岩盤が轟音と同時に消し飛び一瞬にして半径3キロ地点の物体を蒸発させた。俺が神から奪った神気の性質が炎故だ。
「....貴様、何者だ?」
酷く落ち着いた声が俺に問いかける。
それと同時に、なぜ俺が力を解放したにも関わらずこの程度の被害しかないのか。その答えが目の前に現れた。しかし、どうやって神気の波動を抑えたのか.....いや....まさかな。
「ただのアレスだ...お前は俺が全力を出すべき相手と見た。故にこれをもって明確な敵対と知れ!」
言い終わると同時に互いが一息のうちに距離を詰める。相手は『縮地法』を使っているが今の俺にはそれを使う余裕が無い。
神気を無理やり引き出している故に制御を少しでも疎かにすると忽ち俺が死にかねないからだ。
普段無詠唱の俺がわざわざ隙にしかならない詠唱をするのはこのためだ。
《剣よ、現れ》
短縮詠唱と同時に自分の闘気と魔力を災厄と云われた黒龍の心臓と骨に注いで鍛えた龍剣を呼び出す。
『キーーン!』という高硬度の金属同士がぶつかり合う高い音が火花と同時に鳴り響く。神速とも言われる剣撃が何度も耳に伝わり、剣がぶつかり合う衝撃で手は痺れ肌には緊張が走る。が、ここで距離を開けるわけにはいかない。何故なら今はまだ有効な遠距離攻撃手段を用意できていないためだ。
「全く...底なしか!貴様ぁぁ‼︎」
俺は、常時発動中の神気や龍闘気はともかく魔力に関しては落下時に回復しているので、実質的には全く使っていないも同じ。故に剣を打ち合っている合間に魔力で傷を回復させていた故に彼の言葉だ。
しかし...決め手に欠けるなッ!
英雄の剣を体を捻ることでギリギリに躱し、一撃を入れる。
「ふん‼︎」
『ドゴォォォン‼︎』
「うっ....‼︎」
やっと俺の神気を纏った蹴りがまともに入った。白炎が舞い踊り、英雄は核兵器の爆発並みの衝撃と熱量をその身に受けた。直前、闘気によって全身を庇った故に体が塵も残さず消滅することはなく、数キロに渡って吹き飛ぶ程度で収まった。
「はぁッ!」
空中で治癒を済ませ、大量の魔力を手足に集中し、ジェット機にあるエンジンの要領で噴出することで瞬時に体勢を整え、彼を追う俺に向けて何処からか取り出した槍を投げる。
すかさず俺は落下時に予め用意していた魔法を発動する。無論ストックしておいた魔法なので詠唱の必要は無く、消費魔力も無い。頭の中でイメージするだけで発動可能だ。
『ドォォォォン‼︎』
轟音と衝撃によって平衡感覚を失いかける。しかしギリギリで発動させた『衝撃反転』が決まったようだ。問題は衝撃以外の熱を防げなかったためにこちらもそれなりのダメージを負った。
「くそッ!神気を纏うべきだったかっ!....」
すかさず魔力を練って回復する。落ち着いた状況ならば無詠唱でも可能になった。戦闘の最中に成長するとは流石は龍といったところだ...
「驚かされたな...まさか先程の槍が爆発するとは....流石だ!おかげでこちらもかなり消耗させられたぞ?」
そう言いながら不敵な笑みを向ける。
これは挑発であると同時に強がりでもある。魔力はもう殆どなく、闘気もあと数発奴の攻撃が直撃したら致命傷を受けてしまうだろう。
英雄は先程の爆発と槍の推進力を合わせた衝撃が直撃した筈だ。かなりの量消費している魔力や闘気で防げるような一撃ではない。
だというのに全身は幾つも裂け、鼓動と同時に大量の血を流がしながらも目の前(100メートル程度先)にその男は立っていた。おそらく回復させるだけの余力はもう無いのだろう...それでも、彼の瞳にはまだ闘志が宿っている。
こんなことができるのは考えたくは無い....しかし一瞬見えたのは白銀の闘気...いや、神気だ!
「それはそちらの台詞だ。しかし、その称賛素直に受け取らせてもらおう。...感謝を...」
神気を彼が使うことに驚きを隠せない。そんな俺のことは御構い無しに彼の纏う神気の質が変化する。
衝撃を防いだ白銀の闘気とは違い、それは黄金に輝いていた。間違いなく今までとは違う!
「我が名はシルフ・ラヴェリエ、剣の英雄の力みせてやる!行くぞ‼︎」
「来い!」
俺はすかさず神気を全て解放する。
玉砕覚悟の相手に対し出し惜しみをすればどのみち俺は敗れる筈だ。死ぬ覚悟の無い者は純粋な殺し合いの中では余程優位で無い限り生還は難しいだろう。
故に俺もダメージ覚悟の全力だ!
『ドン!ゴォォォォォォ‼︎』
俺と奴の全力の一撃がぶつかり合い辺り一面を消し飛ばす。互いにまるで巨大な隕石が落ちてきたような衝撃を受ける。俺は思わず後退するか迷った。いや、迷ってしまった。そして....
「奪ったぞ!アレスゥゥゥ‼︎」
まずい!
回避をする?いや、神気を纏った奴の剣に、もはや射程と言う概念が無い....ならば!
少しでもダメージを抑えるべく神気を龍闘気に混ぜる。失敗する可能性もあったが、彼との戦闘のおかげで成功した。その瞬間凄まじい衝撃が体を襲い攻撃を受け止めようとした左腕が引き千切れた。しかし、そのおかげで奴の剣速はほんの少しだけ落ちた。その刹那の合間に回避行動をとったが、今までのダメージのせいで上手く体が動かない...
『うぐッ!...』
左脇腹に直撃を受け、空中に投げ出されながら腹の中で声にならない声が漏れる。
くっ...内臓がいくつかやられたな...しかし俺はまだやれる!でなければ次は彼女達だ....負けられ...ないな....
「グボォッ!.....ゴフォッゴホォ!」
血を吐き出している俺をシルフは黙って見ていた。
今ほど隙だらけの姿もないだろうに...律儀な奴だ。
「降伏するか?」
シルフの静かな問いに意味がないことは誰より、シルフ自身が理解していただろう。しかし、それでも彼が満身創痍にも関わらず言ったのはきっと俺と同じ気持ちだからだろうと思う。『人生最大になるかもしれない好敵手をここで果てさせたくはない』....と
それでも、それでもやらねばなるまい...何故なら私には守るべき者がいる。...共に笑い、時には叱られ、悲しい時は互いに涙する...そんな誰もが望むような当たり前の幸せを...日常を...俺は手離したくはないのだから。
「感謝を....しかしシルフ、私には命を賭しても守らねばならないものがあるのだ。我々は互いに生きていれば必ずまた争う...故に貴殿はここで討ち果たすべき敵なのだ.....済まないな...」
きっと出会いが違えば良き友人になれただろうな....しかし、彼女を助けた時点で俺にはそれを守るべき義務がある....まぁ自己満足の為の自分ルールというやつだ。
あと一撃が俺の放てる最後だな.....
強い意志と伴に失った左腕を残り僅かな力で龍闘魔法を発動し、なんとか再生した両手で剣の柄を握りしめた。
相手も真っ向勝負の構えだ。これならば全力の一撃を撃てるかもしれないな...
《願わくば...我が友、我が同胞に幸あらんことを! 剣よ、我が行く道に勝利を‼︎》
その言葉と同時に体に纏っていた神気・闘気、魔力を全て剣へと注ぎ天を貫く黒炎の刃を生みだす。
「ウォォォォォ‼︎」
全ての守りを捨て諸刃の剣となった俺は最後の力を血反吐と共に振り絞り、高く上げた両手をシルフに向けて振り下ろす。
「それでいい。ありがとう.....我が友....」
直撃と同時に剣の波動が俺の視界と周囲を閃光と轟音が埋め尽くす。何もしない彼に直撃し、無慈悲な程の破壊をもたらした。粉塵が落ち着き、視界が戻った後には余りの高温で溶けた真っ赤な大地が広がり、そこに命の一切合切は存在しなかった。
「やった.....の......か...?」
最後にそう呟いたと同時に意識が切れる。
あぁ、まだ死にたくはないなぁと思いながら....
【追記】神気は闘気の分類ですが通常の闘気(闘気〜龍闘気まで)と重複可能です。
この世界の英雄は人間からしか産まれません。神に対する信仰心の表れです。勇者も居ますが、英雄程強くありません。ちなみに花蓮は勇者です。勇者と英雄の違いは神気の有無にあります。
あと、英雄が使っていたのは魔力・覇気・神気二種です。白銀が防御特化で黄金が攻撃特化です。何故彼が神気を二種持っていたのか......
ここまで読んでくださってありがとうございます‼︎
どうだったでしょうか?前作は何故かハイになった状態で書いたので少し?暴走気味でしたが....今回は初の戦闘シーンです。
ノリでいけるかな?なんて考えていたらなかなか上手く書けませんでした....無念。
今回の更新予定日を4日開けて正解だったと過去の自分を賞賛中です(*´-`)。
まぁそんなわけでこれからも楽しみながら投稿していくつもりなので、暇な時間読んでくださると嬉しいです!




