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1. 力試しに行くはずが...

とりあえずの目的というかやってみたいことは『外に出たい!』かな〜、何か適当な言い訳は落ちておらんかね?....あ!


「ありがとう。君にはいつも支えられてばかりで情けない私を許してほしい。それと、久々に目覚めたのだ、体が鈍っていないか確かめたいのだが問題はないか?」


「そんな!私にとって貴方は側にいてくれるだけで救いなのですから。そのように自分を過小に評価なさらないでください。力試しの件でしたら問題はありませんよ。しかし、どちらで力試しなさるのです?」


とくに考えてなかったな〜どうする?まぁ実をいうと候補がないわけではない。でもその数が多いんだよなぁ...個人的に行ってみたいだけって場所もあるし...


「まず、いくつか候補はあるのだが少々決めかねていてな、共に考えてはもらえぬか?」


「はい!私に分かることであれば全力を尽くし貴方のご期待に添える場所をお教え致します。」


先ほどまでは凛とした印象だった彼女が今や物凄く張り切っていて、頬を少し赤くしながらも目は輝いている。頼られた事が嬉しかったのだろう。そんなに張り切らなくてもいいんだけどなぁ〜かわいい...おっと、彼女を見つめすぎてしまった。これ以上はマズい。具体的に何がマズいのかと言えば、既に少し顔が熱くなっているのがわかるからだ。これが28歳童貞の弊害か...無念


「あ、ありがとう。それでは一つずつ上げていくが...まず、『紫毒の森』・『霧の渓谷』・『ケラトスの沼』・『炎龍の庭』・・・・《以下略》といったところを検討しているのだがどうだろうか?」


おっと、かわいいと思っていた表情が急にキリッとしてなんだか、できる秘書という印象になったな。表情豊かで素晴らしい‼︎よし、ふざけるのも大概にしておこう...


「そうですね、まず『紫毒の森』と『炎龍の庭』はなかなかによろしいのではないでしょうか。理由としてはまず、『炎龍の庭』は私の妹のラフィリアが管理していますから一言声を掛ければいくらでも暴れていただいて大丈夫かと思います。あと、『紫毒の森』についてですが、毒を放出する樹々に覆われてはいますが暴れる分には問題ない広さがありますし、あそこには人やデミ〈亜人種〉がいませんからね。あの者達は執念深く、狡猾で群れますから...彼等に被害を与えてしまった場合の後々を考えますと集落などのない場所であることは必須ですので。先ほど挙げられた『ケラトスの沼』も以前のようならよろしかったのですが、貴方が眠っている間に鬼族の集落が完成していまして...そのような理由から候補からは外した方がよろしいかと...」


「ふん...なるほど、確かに鬼族の屈強さならばあの沼地に生息する鯰...もとい、沼海竜〈でいかいりゅう〉を狩猟することも可能であろうしな....」


うん?口に出して思ったんだが逞しすぎではなかろうか?なんなの?見た目は鯰だけど、全身は沼の色と同化した竜鱗で覆われていて、それこそ人間がそれを倒すとなると魔導大砲か対軍魔法クラスを数発続けて当てなければ、ものの数秒の自然治癒で全回復ノーダメージというチート竜なはずなんだけど...鬼族がいくら馬鹿力の持ち主で耐久力もそこそことはいえ、本当にあの竜供と渡り合えるのか?


「先ほどは鬼族であれば可能といったが、訂正したい。いくら鬼族といえど泥海竜を倒すのは難しいのではないか?」


「あ、はい!それはですね60年程前に鬼族のなかに強力な魔法使いが産まれたようで、つい先日沼の竜を魔法一撃で全滅させてしまいまして....今では生簀を作り、養殖や栽培で生活を成り立たせているようなのです。」


さすがに無理じゃね?専門でないからなんとも言えんけど、栽培はまぁレンコンとかあるからよしとして、生簀で養殖って言っても泥しかないっすよ?やっぱ無理じゃね⁇それに生活水はどうする?って話だしなぁ〜魔法っていう手が人族やエルフには可能だろうけど鬼族は元来魔法は使えないはずなんだよな....ってことは竜殺しの鬼が一人で集落一つ分(鬼族の必要とするエネルギー量は平均人の10倍程度)の水やら生簀やらの面倒を見ているということか....仮に一人の鬼が全ての生活基盤を魔法で成り立たせているとなると、それこそ龍に匹敵するとまでは言わずとも勇者クラスの魔力量が必要になる。正直現実味が無いな...後はまぁ泥を蒸留して飲み水と魚の泥吐きをさせるのに使うというくらいかな...ただし鬼族に蒸留の知識がないはずだから多分これは無理だろうし...


「つまり、信じ難いことだが、今の鬼族は竜殺しの鬼に生活の主軸を任せているということになるのか?」


「はい、そのとうりでございます。なので、その鬼がなんらかの原因で死亡した場合にはあの沼地で生活を続けることは不可能になるかと思います。」


つまりはそういうことだ。短期的に見た場合、今の外敵のいない『ケラトスの沼』での生活は安全だろう。さらに、魔法を使う鬼が居れば大概の敵は排除できるはずだ。しかし、あまりにもその鬼が目立ちすぎている。例えるなら大きく巨大な要塞を柱一本で支えているような状態だ。その一本の柱が折れれば自然と崩壊する。それも一度に....


「一つ聞くが、その魔法使いの鬼とやらは男なのか?」


不思議そうな顔だな...まぁなんでそんなことを?って感じだけど、俺にとっては重要なことなのだよ!


「えっと...確か女性だったような気がしますが、記憶が曖昧ですね...」


「なるほど....よし!決めたぞ。今から『ケラトスの沼』に行くとする。」


えっ⁉︎なにそのジト目....やめて!お願いだから‼︎美人に睨まれるのはなんだか物凄く怖いですはぃ...流石の俺も『我々の業界ではご褒美です!』などという猛者ではないのだよ...?優しくしてね?


「何故かお聞きしてもよろしいでしょうか?」


うん?何故沼地に行くのかって?そこに沼地があるからさ!はっはっは....はぁ


「あ〜...面白そうだからだな....うむ。」


.....まぁね、分かってた。分かっていましたとも!『何言ってんだこいつ?』みたいな顔されることくらい。仕方ないじゃないか!楽しみなんだよ!鬼族に会ってみたいんだよ!鬼族の寿命は人の3倍程度で老化もそれに見合って遅い。つまり!魔法使いの鬼は人でいうところの大体20代前半程度の若さなのだよ!わかるかね?もっというと鬼族は意外かもしれないが美形だ。あ、男は除く。鬼族の男は男っていうより漢!って感じの厳ついおっさん顔だからな....若さは関係ない...まぁ野郎に興味はないから関係ないけどな!というわけで多少の精神ダメージを無視しても行く価値は十分にある!...はずだ‼︎


「いささか理由としては弱いように思いますが?そもそも、目覚めの力試しに行くと言っていましたのに、なにをどうすれば面白そうだから沼地に行くという考えになるのかお聞きしても?大体魔法使いの鬼は味方ならともかく、敵であった場合、我々龍種にとっても脅威となり得るかもしれないのですよ?分かっていますよね?」


う〜ん真面目に何て言い訳しよう....正直に言えば確実に怒こるよな...もっと悪いのは呆れて彼女に見放されかねないということだ。これだけは避けなければならない。....よし、なるようになれだ!


「まず、理由は二つ。第一に、先ほどの話しが事実であるのかを確かめた上で、今後我々龍種と共に歩めないだろうかという思惑もある。第ニに、魔法使いの才が何故鬼族の娘に宿ったのかを知りたいのだ。」


「まぁこんなところだな。なにか質問や納得のいかない箇所があれば随時説明するが?」


わざと悪戯っぽく(実際は引き攣った悪役のような)笑みを浮かべながら自身たっぷりな感じに言ったはいいけど....頼むから質問とかやめてくれよ〜え?なんでって?そら、お前....考えてないんだよ!


「はぁ....仕方ありませんね。分かりました。貴方が焦っているときの顔は以前と全く変わりありませんね。そんなに心配そうな顔をなさらないでください。そんな顔をされてはこれ以上何も言えなくなってしまいますよ?ただし、私もご一緒させていただきます。いいですね?」


「う、うむ....助かる。」


はい!バレちゃってました!ないわ〜。まぁまるきりの嘘って訳でもなかったんだけどなぁ...しかし、結果オーライかな?ただ、彼女を連れて行くのはもはや確定な訳だけど...めちゃくちゃ美人なんだよなぁ髪は白いのにしっかりと艶があって、肌も同じく雪のように白く、目はオッドアイ‼︎ヤバない?いや〜碧眼と朱色の目の組み合わせは控え目に言って眼福です。


胸?あぁ....まぁ普通だな。でかくもなく、小さくもなくって感じだと思う。正直な話、胸元がかなりゆったりとした法衣をきているせいであまりよくわからないんだよな...まぁスタイルがいいのが分かるのは胸元以外は割と身体のラインが出てるからなんだけど腰の部分はしっかりと括れているのが分かるように高級そうな布が巻かれているしな。


まぁなにが言いたいかというと、鬼族の野郎どもが彼女にたからないか心配な訳なんだけど....最悪戦闘も視野に入れるかな....


「では早速共に『ケラトスの沼』に行こうか。準備は大丈夫か?」


「はい!何かあった場合は私が護って差し上げますから安心してくださいね?」


若干声を弾ませながら聖母のような笑みを浮かべた彼女に釘付けになりそうな意思に鞭打って今から向かうであろう場所に意識を集中させた。すると...


「うん?これは...魔力か?」


「はい。...かなり強力な波動ですね。弱い魔物ならば、この魔力を浴びただけで消滅するものも出てくるでしょうね。」


あまりにも濃密な空気の流れと力の奔流に息を飲む。はっきり言って今の俺の魔力総量では勝ち目がないほどだ。まぁ戦闘となればまた話は変わってくるけど。それにしても凄いな。一体何にあれほどの魔力を使うんだか。ま、いけば分かるかな?


「時間はあまり無いのかもしれないな。急ぐとしよう。危なくなったら私をしっかり護ってくれよ?」


「はい!お任せを!」


そんな冗談のやり取り(彼女がどういうつもりなのかは分からないが多分本気で言ってる)をしたのちに魔力の発生源である『ケラトスの沼』に向かった。

しばらく後

「着いたな。しかし、まぁこれだけ周りが破壊されていてはどうしようもないな....」

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