プロローグ
俺は今、日本で400万部以上売れている大人気ライトノベルの仲間入りを果たした(龍の王)という小説の作家兼サラリーマンだ。毎日、定時帰宅で出勤はいつも30分前。まさに理想的な生活を送っている(まぁ他の人から見てどうなのかということは置いておくとしよう)。そして、今まさに俺の日常は崩れようとしているのだった...
「あぁ〜〜頭が痛っ....うっ、、、おぇぇぇ」!
なぜ爽やかな筈の朝に目が覚めて直ぐ、このようなことになっているかというと、昨日の友人との飲み会ではしゃぎ飲みすぎたうえに、家に着くと酔った勢いで小説を書き始め、2:00を過ぎた辺りから深夜テンションに突入!そのまま5:00まで小説を書き続けるなどという普段ではありえない行動をとってしまった訳で...
「ヤバい...今は何時なんだ?」
吐瀉物を片付け、酸っぱくなった口を水を飲むことで抑えつつ、独り言を呟き机の上の時計に目をやると...
「午前7:00?...って⁉︎違う‼︎9:00過ぎてるじゃないか‼︎」
会社の出勤時刻は、10:00...用意やら通勤時間を考えると、どんなに早く見積もっても10:00には間に合わない訳で....よし!決めた、今決めた!今日は休みだ‼︎そうしよう。
決めてしまえば早いもので、会社の上司の田中さんに体調不良を言い訳に休みをもらえないかと連絡を入れると、休むのは構わないがもっと早く連絡を寄越せと怒られはしたがなんとか休みを手に入れた!まぁそれはいいのだが、田中さんマジで怖かったな....まぁ連絡入れたの出社時間の5分前だったしな〜今度からは気をつけよう!
「さて、時間を見て目が覚め、上司に怒鳴られ二度寝する気にもなれず....とりあえず【ウコンのちから】でも買いにコンビニに行こうか」
そうして家の(というかアパートなのだが)扉を開けて外に出ようとすると全身を青白い光が包み込み、妙な浮遊感の後に目の前に現れたのは...
「は?」
第一声がこれというのもなんだか間抜けな気がしないでもないが、仕方ない。アパートの扉を開け、外に出たかと思えば周りは紫色の照明(炎)に照らされた黒を基調とした美しい装飾の一室が目の前に広がり、俺はというと玉座のような場所に腰を下ろしていたのだから....
「やっとお目覚めになられたのですね!もうダメなのではないかと思っておりましたのに...良かった。本当に良かったです...」
ふむ、一言言わせて欲しい...『ないわ〜‼︎』会ったばかりの美女が急に涙を浮かべて喜んでいる。それはいい!実にいい!言いたいことは他にもあるがお今は置いておこう。...うん、まぁあれだ、なにが《ないわ〜》なのかというと、この景色を俺はきっと誰よりも知っている。何故なら自分の書いていた小説(龍の王)にある玉座の間の光景そのものなのだから。
よし!切り替えよう。
俺はゆっくりと肺の中の空気を吐き出し、自分の姿を改めて確かめる。褐色の肌に白を基調とした法衣に黄金の刺繍...きっと髪は白いのだろう。つまり、自分の書いていた小説の主人公なるものになってしまった訳ですかい?まぁ確定では...な..いよな?
今の状況?聞いて驚け!(一番驚いているのは俺なのだけれど)...多分、元この身体の持ち主の記憶と俺の記憶が今は混在している状態にあるのだと思う。と言っても、元の身体の持ち主の記憶が正しいものなのかどうかの確認は後で目の前の美女にでも聞けばいい。ただ、重要なことは、俺の書いていた小説の内容と合致しているということだ。となるとやはり....
「あの、どうかされましたか?」
「ふむ、いやなんでもないぞ。心配を掛けてしまったようだな。ありがとう。」
「そんな!もったいないです!私はいつまでも貴方がお目覚めになるのをお待ちしておりました。もし、あのまま貴方がお隠れになるようなことになったなら共にこの命捧げるつもりでありましたが、貴方様は目をお覚ましになられた。それだけで....それだけでもう私には十分すぎるくらいなのです。」
なるほど、彼女レティシアこいつ(元の身体の持ち主)に惚れてるな〜ふふふ。まぁ仕方ないだろうともよ!何故って?それはあれだ、ここだけの話ヒロインいないと盛り上がらねーっていう俺のまぁ趣味だな。そこで、ヒロインはやはり主人公に惚れるもんだろ?ってな感じで書いていた訳ですな、はい。これでほぼ確定した。この世界はきっと俺の描き、焦がれていた世界だ。夢でないことは感覚的なものでなんとなく理解したからな!さぁ始めるとしよう。プロローグなんてもうやめだ!今から俺はこの世界を謳歌する!
王様なのに家来の描写が無くね?一人しか目の前にいないって...は?と思うかもしれませんが、主人公は一様龍の王ではありますがとくに家来が沢山いるわけではありません。あくまで強さでもって王を名乗っているだけです。




