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幻想世界の幻滅勇者  作者: 澪
10/12

10.魔王軍迎撃に巻き込まれた勇者一行は魔王軍幹部に遭遇したようです

騎士団と一緒にセイルレーンに行く事になり、実際街に着いた俺たちだったが……………

『騎士団と勇者様が街に来たらしいぞ』

『まあ、それならこの街は心配いらないわね』

………………結果的にものすごく目立っている。

本当は目立たないように街に入りたかったのに……………

まあそんな事はさておき、とりあえず宿に着いた俺はイリスを座らせた。

「とりあえず聞くけど、なんで座らされているか分かるか?」

「その理由を早く聴きたいのだが…………」

どうやら本人に自覚がないらしい。

「余計な事をしたからというのが理由だ。目立たずに街に入りたかったのに、騎士団と街に来たから結果的に目立ったからだ」

そのまま説明してやった。

そもそも目立ったのは本当だし、こうなったのはイリスの説得が原因だ。

「何を言うのだ。少しは目立たなかった方ではないか」

本当に自覚がないらしい。

「街の人の声を少し聞いてたけど、俺と騎士団が来たって話になってたぞ」

「そうだったのか?それが本当ならすまなかった」

「一応言っておくけど騎士団と行ったら目立つとは思わなかったのか?」

「ん?………………………よく考えればそうではないか。重ねがけてすまなかった」

一応イリスが謝ってこの話は終わったが、この直後に騎士団員がやってきた。

「失礼致します。副団長の命により勇者御一行方を連れてくようにという事でお向かいに上がりました」

どうやら俺たちを迎えにきたらしい。

「わかった、今すぐ行く」

そう返事を返して、騎士団員に着いていった。


「着きました。この中で副団長殿はお待ちです」

あれから数分後、修練所らしき建物に着いた俺たちは、部屋に案内され扉を開けた。

「団長、そして勇者御一行殿、お待ちしておりました。これより、指揮権を団長に一時的に返上します」

「承諾した。それではこれより、魔王軍迎撃のための作戦会議を開始する」

こうやって見ているとイリスが団長なんだなぁと思える。

「ゼロ殿、あの事を言ってもいいだろうか?」

会議が始まって数分、イリスが能力の事について話していいか聞いてきた。

それに対して俺は、ゆっくりと頷いた。

「感謝する。さて、本作戦に恐らくゼロ殿は参加することができない」

そのイリスの発言によって、室内にどよめきが走った。

「団長、勇者殿が作戦に参加できないというのはどういう事でしょうか?」

「私も馬車の中でこの事を聞いて驚いたが、皆にも知っておいて欲しい。勇者は戦闘を行うごとに力を少しづつ失うらしいのだ。だから、魔王軍側に魔王軍幹部でもいない限り勇者殿は戦闘に参加できない」

「俺からも一つ言わせてもらうが良いか、イリス」

「どうぞ、ゼロ殿」

とりあえず謝ろう、そもそも俺の体質だからしょうがないし。

「戦闘に参加できない事についてはすまないと思っている。セリカと国王にあまり戦闘をしないようにと釘を刺されているのもあるが、これが勇者の体質なんだ。俺は異世界から来たわけだし、あんまりこの世界のことは知らない。だけど俺は魔王を倒したい。魔王幹部は引き受ける。だから、協力してくれ」

そう言って、俺は頭を下げた。

その後のことは言うまでもなく、作戦会議は終了し、その日はやってきた。


作戦当日、いつもより早く起き、臨戦態勢で待機していた。

ただ、戦闘が始まり数時間が過ぎていた。

今のところ問題もなく迎撃が進んでいる。

その報告があったのは、そんな時だった。

「団長、ご報告申し上げます」

「そんなに慌てているという事は何かあったんだな」

「左様でございます。先行隊が魔王軍幹部を確認致したとの事です」

「_______っ!報告ご苦労。休んで良いぞ」

報告を終えた騎士は一礼し部屋を出た。

本当は出て欲しくなかったけどしょうがないのかな。

「さてゼロ殿。分かっているとは思うが、幹部の討伐をお願いしたい」

「分かってる。じゃあ行ってくるよ」

「ご武運を」

そうイリスに言われ、部屋を後にした。


外に出ると、そこで待っていたのはセリカだった。

「幹部が出たと聞いたので、私が使える最大の支援魔法をかけに来たんです」

「なんだか最近は、セリカに助けてもらってばっかだな。この世界を俺が救わなきゃいけないのにな」

「良いんですよ。勇者といっても一人の人間なんですから、私が助けるのは当たり前ですよ。なんだって聖女なんですから」

セリカは俺の心のオアシスだな。

こういうことを言ってくれるセリカを見ると、大体そう考えてしまう。

「まあ、いつもありがとな」

「じゃあ、チャチャっとかけますね」

【我、この者の守護者なり。地よ、この者に堅牢なる盾をもたらせ。水よ、全てを受け流す力を与えよ。風よ、疾風の如し力を与えよ。火よ、全て焼き尽くす力を与えよ。光よ、四素束ねこの者を守れ。我等が力、この者とともに。ハイエレメンタル・イージスフィア】

そうセリカが唱え終わると、俺の周りに赤、緑、青、茶、白の光が渦巻き、まるで体の奥底から力が湧いてくるような感覚に見舞われた。

「終わりましたよ。まあ、この魔法を使っちゃうと魔力がごっそり持ってかれちゃうんですけどね」

「そんな魔法をかけてくれたのか。こんな事されたら生きて帰ってくるしかないじゃないか」

俺自身はこう言ってるけど、本当はさっさと倒して休みたいと思っていた。

「そうですね。そういえば、魔法というのは言霊に魔力とイメージを込めて、それを発現させるものなんです。それを覚えておいてくださいね。多分、役に立ちますから。それではゼロ様、ご武運をお祈りします」

こうして俺は初陣に駆り出される事になった。


あれから数分後、俺は城壁を通り越し護衛の騎士を数人連れて、戦場に飛び込んでいった。

俺は魔王幹部を目指し前進し、対面するまで騎士達に周りの敵を押しとどめてもらっている。

それと対面したのはそんな時だった。

「勇者様、見えました。あのオークが魔王軍幹部です。我々は周りを抑えます。抑えているうちに幹部をお願いいたします」

________オークか。オークって言ったらエロゲとかであんなこととかそんなこととかしてる奴だよな。

そんな事を考えながら、俺は前に躍り出た。

「オ前、勇者カ?勇者ナラ殺ス」

「そうだ、俺が勇者だ。俺の名はゼロ。生きて帰れたら魔王にそう言っておけ!」

「ウルサイ。俺ハジキル。オークヲ統ベル魔王幹部ノヒトリ。魔王サマ二命令サレテオ前ヲ殺シニキタ」

こうして、魔王幹部との戦闘が始まった。

こんにちわ、澪です。

多分これが投稿されたときには北海道にいると思います。

新要素として魔法が出てきました。

魔法について詳しく書くのは2話先になりそうです。

それでは次回をお楽しみに!

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