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変身少女のタマゴ系ライブ  作者: 葉月 優奈
一話:『詰草 恵』のタマゴアイドル:前編
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009

『6月12日』

あれから二日後。文化祭が終わって日曜日になっていた。

ボクは、駅前のカフェにいた。

この日は、夕方からゲリラライブをする。

そのために、昼間は駅近くのカフェで作戦を練っていた。


そこにいつも最後に来るのがボクだ。

今のボクは変身していない、通常通りの格好。

ズボンに、カジュアルなボーダーシャツといういつもどおりの格好だ。

短い髪は、いつもどおりのクセ毛だ。


「おそいっ」

相変わらす虎太郎は、不機嫌そうにボクを出迎えた。

ドクロのシャツに短いズボンとラフな感じの虎太郎は、目が険しく釣り上がった。

野性味ある個性的な虎太郎は、腕が意外と太い。


「まあまあ、『ノットシステム』の紅一点だから」

「何が紅一点だ」

茶色のベストを着ていた隆聖、長いズボンを履いていた。

ちょっとだけ隆聖が、暑苦しそうに見えた。

隆聖がなだめ、虎太郎が悪態をつく。相変わらずの光景だ。


「今日はゲリラライブだ。一応六時から二時間の予定。

曲は持ち曲四曲を四セット。MCは恵でお願いな」

「うん、わかっている」

「あとは、曲の順番だけど……」

「その前に、その格好はなんだ?」

虎太郎がすかさずボクに、指摘を入れてきた。


「ああ、いつもこの格好なら動きやすいから」

「だけど、なんか男っぽいっていうか。ちょっと華がないんだよな」

「華なら……ボクに考えがあるんだ」

ボクはそう言いながら、あの『トランスカード』を取り出した。


「今のボクには切り札があるんだ。まかせてよ」

そう言いながら、ボクは無邪気な笑顔を見せた。


「切り札って、それはガキの頃にやっていたおもちゃのカードじゃねえかよ」

「おもちゃじゃないよ、本物だから。

ねえ、虎太郎。この辺でゲームセンターあるところ知らない?」

「ああ、駅前の西口にたしかあるが」

「そっか、じゃあちょっと行ってくる」

ボクはそう言いながら、軽やかな足でカフェを後にした。


「お、おいっ。メグッポ!」

虎太郎は最後にボクの背中に、叫んでいた。



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