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変身少女のタマゴ系ライブ  作者: 葉月 優奈
七話:『奥津 霞』のタマゴアイドル:前編
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『6月5日』

この日の夜には、あたしはいつもどおり辛気臭い部屋にいた。

机に座って、ぼーっとしていた。

暗い部屋の中で、あたしはずっとタマドルカードを見ていた。


学校には行かなくなった。

臨海学校の一件で、あたしは人間不信になった。

あたしは、追い込まれたからだ。


そして、学校の行かないあたしは家で勉強をしていた。

いつもどおり教科書を開いて、勉強をする日々。

そんな日曜の夜に、あたしのスマホが急になんの前触れもなくなった。


「ミーコ……」あたしはスマホを出た。

「もしもし……」

「ああ、繋がるようね。良かったわ」

「ミーコ、どこにいるの?」

「あのさ……ハコベという人間を知っている?」

「うん、名前だけは聞いたことがある」

「なら、お願いがあるの」

「お願い?」

「ハコベを、ここに連れてきて欲しい」

一瞬の言葉に、あたしは驚きがあった。


「どういうこと?」

「彼女は、私を閉じ込めた悪い奴なの。

だから彼女を捕まえて、私のところに連れてきて欲しい。

そうすれば私は、カスミンのもとに帰れるのよ」

「そうなの、うん。だけどあたしはわからない」

「そうねえ、カスミンのそばにいるイースターはいるかしら?」

「うん、いるけど」

「その子に聞いたほうがいいわ」

「イースターもわからないって言っているわ、だいたハコベって……」

「メイド服……」

しかし、そのあとは急に電波が悪くなって切れてしまった。

どうやら、圏外になったようだ。

あたしはリダイヤルをしたが、電話は全然でなかった。

その様子を見ていたのが、タマドルカードのイースター。


「なんの話をしていた?」

「ハコベを探して」

「何を言っておる……」

「ハコベを探して、ミーコを連れ戻すわ」

あたしは右手を握りながら、怒りを顕にした。



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