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その日の夜、私は家に帰っていた。
家に帰り、私はいつもどおりの習い事をこなす。
習い事を終わらせて、私は家の風呂に入っていた。
とても大きな風呂で、私は自分の体を湯船につからせていた。
長い髪を縛り、風呂のお湯を肌で感じた。
檜で作られた大きな風呂は、私の体の疲れを癒す。
そんな大きなお風呂には、私以外にもうひとり入っていた。
「ハコベ、お湯加減はいかがです?」
「はい、ちょうどいいですよ」
「そうですか、それはよかったです」
私は、家に帰ればハコベと一緒の時間が増えた。
年が近いこともあって、話しやすかったからだ。
風呂に入るときは流石に、黒いメイド服を脱いでいた。
が、服を着ることができない彼女は湯船の下は完全な裸であるが。
唯一、頭にヘッドレスをつけて風呂に入っていたのだ。
元々宇野中家の使用人の年齢は、皆高齢で祖父祖母からは関係が疎遠なのもあった。
「ハコベの活動は、どうなのですか?」
「まだ見つかっていませんが、先週に第三のイースターを目撃しました」
「そうですか……あの日曜ですか?」
「はい、19日です」
ハコベは言っていた。言っていたけど、落ち込んだ表情を見せていた。
あの日は、私が襲われた日。
デートを邪魔された日なのだ、忘れることができない。
「申し訳ないです、あれは自分のミスです」
「いいえ、それより最後のひとりは?」
「それが、今回初めて目撃した人物なのですよ」
「初めて……ですか」
「名前は『カスミン』、ですがこれ以外のことは何もわかりません。
彼女もまた、保護しないといけませんから」
「わかりました。でも聞きたいのです」
「何をですか?」
「タマちゃん……いえ、イースターを四人集めた先に何が待っているのですか?」
私は湯船に浸かる巨乳のメイドに、疑問だったことを訪ねた。
「そうですね、お話しましょう。
お嬢様には、これから頼まないといけませんから」
「頼み?」
「『シエル』の正体が、ようやくわかりました。
『メグッポ』とデュオで、タマドルにログインした記録が残っていました。
『シエル カーネーション』、彼女もまたお嬢様の学校にいるのですから」
「そうですか」
私は、あまり驚かなかった。
正直、奥津先輩を呼んだときにシエルとの声と重なる部分があったからだ。
「驚かないですね」
「本人とは、何度か会っていますから。確信はなかったですけど」
「なるほど、ではあたらめてお嬢様にお願いしたいことがあります」
ハコベはそう言いながら私の方を向いて、険しい表情を見せていた。




