007
約、一分がたってライブは終了した。
それはライブというより、ダンスだ。
動きがかなり激しい、両膝に手をついて息を切らす。
曲が終了すると、タマゴから歓声が聞こえた。
どうやら、観客ということでいいみたいだ。でも、どこにこのタマゴ現れたのだろう。
そして曲と同時に、タマゴたちはひっそりと姿を闇に消していた。
観客のタマゴがいなくなって、いつもの夜の教室が戻った。
「おいおい、そんなのではこれからのライブは乗り切れないぞ」
「うるさいっ、イースター。わかっている……はあっはあっ」
中腰になったボクの呼吸が、完全に上がっていた。
イースターは不敵に笑っている、なんか負けた気分。
「ライブが終了すると、グッドを得られる。
このグッドの数値が上がると、アイドルランクが……上がった」
「『研究性アイドル』から、『デビュー前アイドル』かぁ。これで金髪に」
「まだまだ、先は長いぞ」
「ええっ、ライブをもっとやるの?」
「ああ、体力が続く限りな」
「今日はパス」
「じゃあ、最後にゲームを終えようか」
「うん」
イースターがそう言うと、ボクの前にはチュートリアル完了の文字が見えた。
「ふうっ、タマゴ系アイドルだっけ?大変なんだね」
「やることはガチャ、フォト、ライブともう一個。最後に『トランス』と文字があるだろ」
「うん、これは?」
「文字通り変身する機能だ、これで変身が適応されるのだ」
「ただのゲームだよね」
「やって見ればわかる」
そういいながら、ボクはなんとなく押してみた。
押して、ボクは一瞬にして目の前が光り出していた。