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変身少女のタマゴ系ライブ  作者: 葉月 優奈
四話:『シエル カーネーション』のタマゴアイドル:後編
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私は多忙だ、多忙だから恵の授業を聞く時間が短い。

五時を過ぎると、終わりにしないといけない。

六時からのバイトが、私にはあった。


玄関で、私は恵と一緒にいた。

上履きから靴に履き替える。

クラスが違うので、先に履き替えた私が恵のところにいた。


「今日はありがとうです、恵」

「うーん、でも……時間足りないね」

「ですね」私は持っていた通学カバンを、じっと見ていた。


「明日と明後日もバイトだっけ?」

「です、日曜は外してもらえたのですが代わりに土曜日に入りました」

「じゃあ、日曜に一緒に勉強しない?」

「えっ、でも恵は勉強しなくていいのですか?」

私は驚きがあった。

なぜそこまで親切にしてくれるのかわからない。

だけど、恵は本当にいい子なのだと思えた。


「うん、大丈夫。ボクは時間あるし、それに勉強を教えても勉強になるし」

「そうなの?」

「まあ、三年じゃないからね。慌てることもないよ。

場所は四日市の図書館でいい?あそこは静かだし」

「ありがとうです、ありがとうです」

私は感謝のあまりに、恵の手を両手で掴んだ。

その優しさが、単純に嬉しかった。


「いや、そんなに感謝されると……ボク困るよ」

「いいえ、感謝感激です」

自然と私は涙を流して、恵の好意を感謝した。


「まあ……いいよ。シエル、ちょっと恥ずかしいから」

「いいえ、離さないのです」

「あの……カーネーション会長」

「シエルは感謝しています。恵、ありがとうです」

「えと……ボクじゃないし。シエルこっち見て」

そういいながら、恵は玄関の手前の廊下側を見ていた。

恵に促されて、私も見るとそこには一人の少女が立っていた。


「お久しぶりです」

そこには黒く長い髪の少女が、セーラー服姿で微笑んでいた。



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