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変身少女のタマゴ系ライブ  作者: 葉月 優奈
四話:『シエル カーネーション』のタマゴアイドル:後編
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『6月15日』

あの日から、一週間以上が過ぎた。

文化祭のメイド喫茶は、虎太郎が用意してくれたメイド服で私は接客した。

二年C組のメイド喫茶は評判が良く、クラス部門で全クラス中二位の評価だ。

楽しい祭りが終わると、すぐに日常生活が戻ってきた。


そんな私は、いつもどおり二年C組の教室にいた。

そして数学の授業が行われていた。


(日本の授業はとても難しいです)

私は真剣な顔で、授業を聞いていた。


これでも私は、生徒会長だ。

無投票で決まった生徒会長だが、それでも学生の見本でなければいけない。

日本のアニメで、それも学んだことだ。

私は授業をまじめに聞きながら、女の先生が黒板に数式を書いていた。

一時間目の授業が、静かに行われていた。


「それじゃあ、次の計算を……カーネーションさん、行けますか?」

「はい」中年女性の数学教師に指名された私。

「ちょっと引っ掛けだから、気をつけて」

「はい」私は黒板の前に歩いていく。

ブロンドポニーは私だけなので、当然視線を集めた。

それに関しては、とっくになれているが。


「えと……この計算は。Yの値を代入してこの数字を二乗するから……」

「そうじゃないのよね」

私が書ききるまでに、数学教師は厳しい視線を私に投げかけた。

すぐさま、黒板で書いている私の方に近づく。


「さっきも言ったけど、ここはさっきの公式を使うの。

代入はその後、そういう引掛けなのよ。もう少し考えてね」

「はい、すいません」

私はしおらしい顔で、先生の言葉を聞いていた。


「もどっていいわ」

「はい」私は、ゆっくりと自分の席につこうとした。

そんな時、私は聞こえてしまったのだ。

何気ない一言を。


「カーネーション会長って、意外と頭が悪いのね」

それは、女の声でヒソヒソとした小さな声だった。

その言葉を聞いて、私の顔が引きつっていたのだ。

「うーん、そうだ。ひとつ、言い忘れたことがある」

そう言いながら数学教師は、急に教壇の上に紙の束を出してきた。


「これから抜き打ちテストだ」

不敵な笑みを浮かべて、テストという奇策を繰り出してきたのだ。



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