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変身少女のタマゴ系ライブ  作者: 葉月 優奈
三話:『シエル カーネーション』のタマゴアイドル:前編
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私はすぐに橋を渡りきって、河川敷に降りていく。

そのまま自転車を歩道に止めて、カバンに入れてあった魔法の杖を手にした。

相手は空を飛ぶカクイドリ。衣装を破壊するコウモリだということは、知っていた。


幸い、このあたりには人はいない。

落書きされた橋ゲタに、私は身を潜めることにした。


「少し距離があったから、見つかっていないといいが」

「だね、見つかった時は流石にライブをするしかないぞ」

「うん」私は魔法の杖を持ってしゃがんでいた。


時間だけが、どんどん過ぎていく。

待っている間は緊張しかしない。

橋ゲタで私は、魔法少女の格好をしてしゃがんでいた。


「通り過ぎたかな?」

「もう少し待て」

「でも……動きがないね」

「それでも、待て」

「うん」私は待つのは得意ではない。

静かな時間が、橋の下では流れる。

上の車道の車の音と、川の流れる音しか聞こえない。

あれから待つことしばし。


「音がしない」

「そのようだな」

「行ったんじゃない?」

「だな、上がるとするか」

私はゆっくりと階段を上がっていく。

だけど、上がりきる前に、「伏せろっ!」カードのイースターが吠えた。

私はイースターの声に合わせて、頭を引っ込める。

私の頭の上を黒い風が、吹きつけた。

頭につけていたティアラが、一瞬にして黒い風に運ばれて破壊されていた。


「えっ、うそっ」頭を引っ込めて、通り過ぎた黒い風を見た。

そこには、真っ黒いコウモリが群れをなして飛んでいた。


「くそっ、待ち伏せか」

「すごい、あんなにカクイドリは頭がいいのですか?」

「いや、カクイドリはコウモリ程度の知能しかない。

待ち伏せなどできぬ、そんなことより逃げられないな。リアルライブを」

「うん」

私は迷うことなく、卵の魔法の杖を取り出した。


「シエルのライブへ、ようこそっ!」

そして、私が念じた瞬間に私とカクイドリの群れが河川敷から消えたのだ。



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