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変身少女のタマゴ系ライブ  作者: 葉月 優奈
二話:『詰草 恵』のタマゴアイドル:後編
31/159

031

彼女はボクを見るなり、にこやかな顔を見せた。

人気の少ないカフェに、彼女がゆっくりと近づいて来る。

ボクよりも少し肌の色が、茶色い。

肌の色は黄土系らしい。


「あなたも、このゲームに来たのね。初めまして、シエルです」

「シエル?」初めて聞く名前だ。だけど、なんか初めてという気がしない。


「あっ、そうそうこれを渡さないといけないですね」

そう言いながら、彼女が肩にかけてあったポーチから一枚の名刺をボクに見せてきた。


「これは?」

「『タマドル名刺』よ。アイドルを紹介するのに使うのですよ。

あなたはないの?」

シエルは笑顔で、ボクに手渡してきた。


「イースター、ボクのも?」

「あるに決まっておろう。右のポケットを探ってみよ」

そう言いながら、ポケットの中には何枚かのカードが出てきた。


「はい、じゃあこれ」

ボクは出てきたカードを、目の前のシエルに手渡した。


「ありがとうです」

「いえ、初めてなので」

「メグッポちゃんですね」

「うん」ボクが言うと、ボクからもらった名刺を見ていたシエルがボクの顔を見返す。

ボクもまた、シエルの名刺を見ていた。


「アイドルランク『メジャーアイドル』かぁ。すごいなぁ」

「そんなことないよ、シエルの知っている人はもっと上げているのです」

「シエルちゃん、結構友達いるんだ」

「そんなことない、シエルは初めて名刺を交換したのですよ」

「その割には、慣れているなぁ」

「何を言っているの、タマドルの魅力の一つ。

『あたしはタマドル、トモダチもタマドル』というゲームだと、シエルはそう思いますよ。

日本のゲームはやっぱりかわいいです」

「かわいい、日本のゲーム?まさか」

「そう、ちょっと話をしませんか?シエルのトモダチとして」

シエルは怪しく微笑んでいた。

そして、ボクは彼女の正体が理解できた。

急いで、ボクはログアウトをしていた。



ボクがゲームの世界から出る。

出た先は、学校近くのゲームセンター『SOGO』。

三階建てのゲームセンターの、三階にタマゴアイドル筺体があるからだ。


ゲーム筐体のそばには、一人の少女がいた。

それは、ブロンズ髪のポニーテール。

真っ白な肌に女性としては明らかに高い身長。

セーラー服を着ていて、胸の校章は『采女第三高校』のものだ。

青いスカーフの少女は、紛れもないオランダ人だ。そして、ボクは知っていた。


「あっ、生徒会長」

「お久しぶりです、メグちゃん。シエルはお願いがあってあなたに会いに来ました」

そこには、日本人ではない生徒会長がにこやかな顔で立っていた。



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