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変身少女のタマゴ系ライブ  作者: 葉月 優奈
二話:『詰草 恵』のタマゴアイドル:後編
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024

土曜日なので、授業が午前しかない。

ボクらは校門で、三人『ノットシステム』が集まっていた。

そして、着いた先はとあるマンション。


その部屋は、とても大きい子ども部屋だった。

大きなベッドと、真ん中にテーブル。

立派な机の隣にはなぜかピアノが置いてあった。

さらには、楽器をしまっているクローゼットが見えた。


「相変わらず、すごい家だな」

「さすが隆聖の家だね。いつ来ても、ビックリだよ」

「あまり片づいていないが」

部屋の主である隆聖は、テーブルを囲んでボクと虎太郎と座っていた。

すぐに隆聖は、ジュースをコップについでいた。

このジュースは、途中のスーパーで買ったものだ。


「さて、今日は打ち上げってことで」

「そうだな、ライブ成功の祝いってことで」

「乾杯っ!」ボクら三人で、ジュースで乾杯をしていた。

いつもどおりボクはコーラを飲む。


「炭酸好きだな、ボーカルだろ」

「ボーカルだって炭酸が好きなの」

「へいへい」虎太郎は、やや納得いかないみたいだ。


「まあ、今回のライブは大成功だったわけだし。

ようやく『ノットシステム』が結束して一年になるけど。

ここまで成功したのははじめだ。観客も二百人は入ったみたいだ」

「うおっ、すげーじゃん」

「チケットノルマをクリアしたし、人気も急浮上。ほら、これ見てみろよ」

そう言いながら、虎太郎が見せたスマホの動画はボクらの路上ライブが映っていた。


「これって路上ライブのだよね」

「この動画が今、ツイッターでフォロワー数が急増しているんだぜ」

「すごいな、どんどん人気出ていくし」

「ねー」ボクも純粋に喜んでいた。

そんな時、さらに隆聖が机の引き出しを開けていた。


「そこで、だ」

「ん?」

「さらに大きなライブをやろうと思う」

「場所は……名古屋?『名古屋スペシャルサウンドクラブ』」

「ああ、略して『NSSC』だ。まだ早いが、いずれここで大規模なライブをやる」

「すごい、野望だ」

「だろ、ここは東海地区でも有数規模のライブ会場だ」

胸を張った隆聖が、とてもたくましく見えた。

こんだけ綺麗な場所なら、ボクもやってみたい。

ボクの声が、どれだけ多くの観客を魅了させられるか試したい。

そんな好奇心を掻き立てていた。


「でも、そこは超有名なアイドルや全国的に有名なバンドがやる会場だろ」

「ああ、それも考えている。人気のあるうちに、どんどんライブをやるんだ」

「NSSCでライブかぁ」

「路上ライブをやって感じたんだ、あれだけの音楽をあれだけの人間の前でできた。

僕らならできる、もっと観客が増えてもできるんだって」

「そのことだけどよ」虎太郎が、難しい顔を見せていた。


「あっ、電話か」

そんな時、隆聖のスマホが鳴っていた。

隆聖はスマホをとって、電話応対をしていた。


「はい、わかりました」そう言いながら、スマホをいきなりボクに向けてきた。

「え?」

「あの、支配人の佐藤さんから」

そう言いながら、隆聖はボクにスマホを渡してきた。



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