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変身少女のタマゴ系ライブ  作者: 葉月 優奈
二話:『詰草 恵』のタマゴアイドル:後編
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ライブ終了から、十五分後。

舞台袖の仕切られた楽屋に来ていた。

狭く小さなライブハウスに、熱狂の余韻がまだ残っていた。


楽屋といっても個室が与えられているわけではない。

ベンチと、保健室のような仕切り板で仕切られた簡易楽屋。

そこで、ボクら三人は戻ってきていた。


「おつかれっ!」

「いやあ、すごかったぜ。こんなに客の前で演奏できるとは」

隆聖がホッとして、虎太郎はかなり興奮していた。

狭い敷居の中で、二人の汗を感じていた。

ちょっと汗臭いけどね。それだけ緊張していたのが伝わってきた。

ボクは、思いのほか緊張はしていない。あ、アバターは汗をかかないんだ。


「うん、すごかったね」

「一番すごいのは、お前だ。メグッポ。

堂々と歌っていられるんだからな」

虎太郎がやや汗臭いながらに、ボクに肩を組んできた。

やっぱり男の人は、汗臭いなぁ。


「でも、本当に二人共お疲れ」

「ああ、最初は隆聖がミスったけどな」

「あれは……キーがちょっとズレただけだ。

それに、虎太郎だってサビのところがおかしかっただろ」

「うっ、そこを言うか?リーダー」

いつもどおりのたわいない会話、隆聖と虎太郎が話していた。

ボクはそんな二人を見ているだけで、とにかく楽しい。


「でも、いいライブだね。一番良かったんじゃない」

「ああ。あんだけ観客いたら、やる気もテンションも上がるってもんよ」

「文化祭の後、ライブがうまくいっている気がする。

これってやっぱり恵のおかげ、かな?」

「違うよ、みんなの演奏が上手いんだよ。

ボクは、その演奏を手助けするためのボーカルだと思っているし」

ボクは謙遜するも、隆聖は笑顔を見せてきた。


「いや、やっぱり恵のイメチェンが成功しているからね。本当に感謝している」

「感謝ってそんな……」

「おうおう、いつもその格好でやればいいんじゃないか?

まあ、初めは曲にあまり合わないと思ったけどよ」

「虎太郎はちょっと余計」

ボクに言われて、むすっとした虎太郎。

そんな時、廊下にある時計を見た。


「あっ、こんな時間だ。ちょっと呼ばれているから」

「呼ばれているって?誰に?」

「支配人の人に呼ばれているから」

「ああ、佐藤さんか。恵一人だけ?」

隆聖がどうやら知っている人みたいだ。


「みたい。そろそろ約束の時間だから……それじゃあね」

ボクはそう言いながら、隆聖と虎太郎から離れていった。



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