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変身少女のタマゴ系ライブ  作者: 葉月 優奈
一話:『詰草 恵』のタマゴアイドル:前編
16/159

016

~~カフェ『MENEMEN』~~


ここは、タマゴ王国のカフェらしい。

背景がカフェの様子だ。

ちゃんとテーブルに椅子も用意されていて、凝った作りになっていた。

が、いかんせん人はいない。


ボクは、霞と別れて筐体にカードを読み込ませた。

読み込ませると、ここに飛ばされた。

普段はカードのイースターが、青と黄色の斑点模様の卵に変わる。


「さて、変身を解くのだな」

「待って!」

「ん?」イースターが不思議そうな顔で聞いてくる。


「ねえ、あのライブでボクは負けたらどうなるの?」

「お主は負けた時の事を聞くのか」

「うん、それにボクが襲われたとき後ろの主婦がいなくなったし」

「神隠し……この世界ではそう表現するらしいな」

「え?」ボクは驚いた。


「その主婦は、神隠しにあった。お主の世界では、そう言われるだろう。

負けた場合……つまり神衣装の『トップス』『ボトムス』『ブーツ』全て破壊されてもそうなる」

「だから、カクイドリは衣装を破壊するのか。

で、ボクも負けたら神隠しなの?」

「そういうことだ。まあ、それ以外で説明が全くつかんしな。

このタマゴ王国にいけるのは、タマドル契約をした者だけ」

「契約って僕は……」

「変わりたいと願っただろ、そう願った少女だけが入れる世界だ」

イースターの言葉に、不安があった。


「でも、神隠しなら……」

「助け出す方法はない。あのカスミンと同じ事を言うのだな」

「あっ」ボクは驚いた。


「まあ、それでもタマゴ王国自体があやふやな存在だ。

これでも人は選んでいるつもりだ。朕も命懸けでやっているからな」

「なんだよ、それは?」

「一つ言えることは、カクイドリに絡まれたものはどんな人間でも消えるということ。

それが、敵ということだ」

「それを倒すための変身なの?」

「変身は二つの恩恵がある。

一つは、カクイドリを倒せる力。カクイドリはライブによって倒すことが出来る。

それ以外は無理だ、そして変身をしなければカクイドリを倒す術がない。

もう一つは、カクイドリから守る力。

本来普通の人が、見ることができないのがカクイドリ。

カクイドリに襲われたら最後、この世から消されてしまう。

それを守る鎧こそが、変身で身につく神衣装だ。

神衣装にはさらに、いくつもの恩恵もある。

普通の人間が見れば、魅力を増強させることもある。

変身とは、人が変わりたいと願う心の結晶。その衣装は心なのだ」

イースターは、淡々と語っていた。


「だったら、ボクは……」

「逃げても無駄だ、どのみちお主には選ばないといけない二つの道が出てこよう。

今はごくわずかのカクイドリだが、門が開けば人類は滅びる」

「いきなりそんなの言われても、ボクには分かんないよ」

ボクは何故か叫んでいた。


「だが、どちらかの道は選ぶ時期は迫ってきておる。

預言書にもこう書いてある、『七の月、門が開きカクイドリが現れ、人類を滅ぼすだろう』

カクイドリを見られる人間はごく一部。そのなかで変身できるのはさらに一部。

言いたいことはわかるな」

「わからないよ」

「わからなくても、頭の隅には入れておけ」

イースターはそう言いながら、右手に持った星の杖をボクに振りかざしていた。



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