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(HAKOBE’S EYES)
私は久しぶりに王座についた。
それは西洋風の王座で、大理石の床が眩しく見えた。
私の前には、色とりどりのタマゴが整列する。
彼らはイースター、緑魔女に捉えられたタマゴ王国の民だ。
私は、エンジェルガールコーデを着ていた。
これが、女王である私の正装。
「ハコベ様、よくぞご無事で」
「いえ、自分だけでは帰れませんでした。
彼女たちのおかげです、地球のタマドルたちの協力あってのことです」
私は四枚の『タマドル名刺』を眺めていた。
彼女たちこそ、私の世界を救ってくれた救世主。
彼女たちは、タマゴ王国ではない。地球の住人なのだ。
「ハコベ様のご友人ですか?」一人のイースターが私に聞いてきた。
「ええ、大事な友人です。でも、今は遠くにいます」
私と違って、四人は地球の人間。
だから、私は彼女たちと住む世界がちがうのだ。
お嬢様に会いたい、恵やシエル、霞とも会いたい。
だけど、それを叶えるにはやるべきことがあった。
「ハコベ様、今しばらくの辛抱です」
「わかっています、自分はやるべきことが残っています。
再び悲劇にならないために、カクイドリを……」
私は凛とした顔で立ち上がった。
「うまく付き合っていきましょう。皆さん協力をお願いします」
「オー」イースターたちが私の号令に合わせて声を上げた。