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変身少女のタマゴ系ライブ  作者: 葉月 優奈
十二話:綴 緑子のタマゴアイドル:後編
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157

(NADESHIKO’S EYES)

制服で私は、あの人を校門前で待っていた。

いつもながらに、私は待つ。

そして待つ人間は、一人だけ。


放課後、校門から出てくる生徒たち。

私はそれでも待ち続けていた。

この時間がたまらなく、長く切ない。

胸が張り裂けそうで、心臓の音がはっきり聞こえた。


校門にもたれかかって、私は待っていた。


「宇野中さん?」

「あっ」

私の背中にかかった声。

そこにいたのは、ひとりの男性。

私から見えた眩しい短髪の男性。

同じブレザーを着た、同じ学校の一年先輩。


「奥津先輩……」

「いこうか、今日はたまたま空いたし」

「はい」

私は、彼とこの日デートをした。

それは、最初で最後の放課後デート。

私は奥津先輩の隣で、ずっと微笑んでいた。



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