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時が動く、景色に色がついた。
そして曲が流れ、あたしの口が動く。
だけど、そこに見ている観客は一人しかいない。
それは緑魔女。だけど彼女に覆っていたまがまがしいオーラは消えていた。
あたしがセンターで踊る、みんなの衣装が輝き踊っていた。
ライブのダンスが激しくなるけど、いつの間にか充実感にあふれていた。
(そして、最後のターン)
あたしは最後に音符玉をはじく。
だけど、それはカクイドリに放ったものではない。
空に放ったものだ。
「ありがとう、みんな」
緑子は泣いていた。
それを見て空が晴れたタマゴ王国。
自分の後ろ、カスミンもメグッポも、ナデシコもシエルも泣いていた。
「おかえり、緑子」
四人が手を広げて、緑子を迎え入れていた。
それを見て、緑色のポンチョを脱いだ緑子。
「ただいま」
とても明るい声で、緑子が帰ってきたのだ。