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最初のチェンジワールドステップは、ナデシコだ。
ナデシコのステップは一番簡単。グッドの数が少ないナデシコは、ステップを踏む。
当然、その間にあたしの周りに音符玉が出てこない。
前にいたあたしは、後ろのナデシコを見ていた。
(ナデシコ……お嬢様も)
明らかにうまくなっていた。練習を見ていたけど、本番で強いのかもしれない。
ナデシコは、何度も練習したステップを披露した。次にシエルにつながる。
(シエルも……メグッポも練習した。カスミンだって)
シエル、メグッポ、カスミンも普通にステップをこなす。
最後はあたしの番だ。
だけど、今までの四人はほぼ失敗がない。
カクイドリの動きをほぼ押さえていた。
動かなければ、衣装も裂かれない。
(自分が……うっ)
あたしの周りに突如、無数の音符玉。
一瞬にして自分は焦った、それを見て緑魔女が不敵に笑う。
(くっ、間に合わない)
あたしはステップをこなすが、触れられずに消えた音符玉からカクイドリが自分に襲ってきた。
「そうさ、ここの四人を狙う意味がない。
初めから女王であるお前が狙いなのだよ」
緑魔女は、勝ち誇ったように笑う。
だけど、あたしは体に痛みがありながらもステップを踏む。
衣装が破けて、全身に痛みがあった。
顔がゆがむけど、練習したステップは体に染みついていた。
ステップを踏みながら体の痛みに耐えていた。
(みんなが繋いだステップを、自分が切らすことはできない)
緑魔女の、激しいカクイドリにあたしは耐えるしかない。
足の感覚がなくなり、腕が振るえていた。
だけど、絶対にここでくじけるわけにはいかない。
ステップを続けた。
衣装が、どうなっても完成させないといけない。
そして、ようやくあたしのステップが最後になった。
(完成……した)
あたしが最後のステップを踏んだ時、背景が強い光に包まれた。
そう、世界の色が変わった。