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~~タマゴ王国:『ハコベ』『シエル』『カスミン』『ナデシコ』『メグッポ』~~
タマゴ王国は、いつも夜だ。
緑魔女が来て以来、この王国に朝は来ない。
夜のまま時間が止まったかのようだ。
城門があいていて、冷たい空気が立ち込める。
彼女が招いたのだろうか。
緑魔女の警備が薄いようにも見えた。
逆に言えば、イースターライブに敵はいないということだろうか。
静かな城の中を歩く。
「これが、タマゴ城?」
「はい、かつて自分がいた城です」
でも今、そこは緑魔女の住処になっている。
中世の城が厳かに建っていて、圧倒していた。
あたしがかつていた城にもかかわらず、どこか不気味でもあるが。
「場所は?ワープする手段はないの?」
「中庭です、だけど緑魔女の手に落ちたので……そんなに遠くはないですが」
そういいながら、自分が案内したのは中庭だ。
そこから、王座も望める場所だ。
ライブ会場に出ると、周りに気配を感じた。
「そうか……」そして、あたしたちを迎え入れるかのようにカクイドリの視線が集まった。
数が圧倒的に多い、千はいるのだろうか。
カクイドリの目が光って、威圧感があった。
「ようこそ、わが城へ」
そこには、すべてを見透かしたように緑魔女が王座に座っていた。