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変身少女のタマゴ系ライブ  作者: 葉月 優奈
十二話:綴 緑子のタマゴアイドル:後編
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あたしはこのイースターの仕組みを理解するのに時間がかかっていた。

そもそも、あたしと彼女たちではタマドルになる理由が違う。

あたしは生まれた時に、そこにしか選択肢がなかった。

だけど、彼女たちは違う。

タマドルにならなくても、よかったのだから。


「あたしは、緑子が変わりたがっていたのを知っていた」

「それは初めて聞いたわ」

「緑子が、もともとこのゲームを始めていた。

自分は、秘密にやっていた緑子を見つけたのは中三のころ。

ちょうど受験のあたりだわ」

「受験の時にやっていたんだ」

「うん、だけど……緑子は落ちたの」

「落ちた?」

「受験、志望校に入れなかったの。あたしが受かって彼女は落ちた」

「えっ?」恵は驚いた。

そういえば、霞は学年で一番の成績らしい。


「緑子は、そういうものを抱えていたのかもしれない」

「霞……そうだったんだ」

「ふむ、なるほど。これが彼女の挫折?」

「そう、彼女は中学の時よりさらに明るくなったと思う。

それが緑子の一番の変化、彼女は変わったきっかけ」

霞が言葉を言うと、辛そうな表情に変わる。

緑子が本当に好きなのだと、はっきりわかった。


「霞にとって大事な人なのですね」

「だから、あの子の……」

「ごめんなさい」ふすまが急に空いて、そこには撫子がいつものピンクの浴衣を着ていた。

そばで聞いていたのだろうか、目にはうっすら涙を浮かべていた。


「あなたには……」

「私は、もっと頑張りたいです。絶対に力になりたい」

胸に手を当てて、そのまま部屋を出て行った。

そんな撫子を、心配して自分はすぐに追いかけていた。



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