141
~~豪華貨客船『スフレ』:『メグッポ』『ナデシコ』『シエル』~~
ここは、前回緑魔女と戦った場所。
巨大な豪華貨客船の甲板の上、自分は三人を見ていた。
自分が演じる時以上に、三人のライブは緊張する。
自分の隣には腕を組んでいた霞、いやカスミンがいた。
甲板に立つのはメグッポ、シエル。そのセンターにナデシコ。
これを仕切ったのは、もちろんカスミンだ。
「なるほど、シエルの衣装はERコーデだな」
カスミンが見ているのは、黒いツインテールのシエル。
「そろえましたですよ」シエルがこちらに手を振っていた。
ERのコーデ、コアクマな妖精だ。
赤いブラウスに、紫色のスカート。
黒い淵の模様が見え、蝶がらがあしらわれていた。
黒いニーハイブーツに、両耳が蝶のイヤリングだ。
「シエルは運動神経はいいから、ライブが得意。
コーデもあるしグッドの数は、高いようね」
「ボクだって、コーデはあるよ」
そういいながら、前に出てきたのはメグッポだ。
前に着ていたアンブレラドレスコーデ。傘をモチーフにした衣装。
かわいらしく清楚なメグッポが、クルリと一回転した。
「メグッポも、この前と違ってERがあるようね」腕を組んだまま見ているカスミン。
「うん、ボクも成長しているんだよ。ランクもAになった」
「後は……」
カスミンの視線がセンターのナデシコに移った。
「が、頑張ります」
「ナデシコのライブ技術、自信あるのかしら?」
「お嬢様は誰よりも練習をしました。一人でずっと練習しました」
自分からも、ナデシコが見えた。
お嬢様の表情が、明らかにこわばっていた。
「そうね、彼女だけが懸念材料のようね」
「はい。霞、いえカスミン。あなたに納得してもらいます」
そういいながら、曲が流れてきた。