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ライブが終わると、自分たちはリアルに戻っていた。
それは図書館前の駐車場。
自分の衣装は、ほとんど損傷はない。
カスミンはスカートが一部破けていた。だけど、ナデシコは
「見ないでください」
衣装がほぼ破けて下着姿になっていた。
「車に乗り込めっ!」
「ううっ、ひどいです」
ナデシコは下着姿になって、急いで止めている車に乗っていた。
残ったのは自分とカスミンだ。
「助けてくれたのか、カスミン」
「助けたとは違うな」
カスミンが、自分を睨んでいた。
「では、あれはなんだ?」
「タマドルのゲームである、センターを交代させるコマンドだ。
これを使えるのは、サブの一人だけだ。そんなのも知らないのか?」
「残念ながら、それは地球側でつけたものだ」
「お前、本当にタマゴ王国の王女か?」
睨みつけていたカスミン。自分も、カスミンを見ていた。
「カスミンはすごいな」
「すごくない、お前はイースターライブをやろうとしているのだろう」
「そう……」
「だとしたらそれは間違いだ。今のお前にも、ナデシコにもやる資格はない」
「何を言い出す?」
「ナデシコを失ったら、メンバーは揃わない。つまり終わりなのだろう」
カスミンの言葉に、自分は唇を噛んだ。
そうだ、イースターライブには必ず五人が必要だ。
しかも、10万グッドをたたき出さないといけない。
メンバーの質も量も問われていくのだ。
「だが……」
「緑魔女」
そう言いながら、自分は緑魔女が図書館の中に入っていくのが見えた。
それと同時に、自分は走り出していた。