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変身少女のタマゴ系ライブ  作者: 葉月 優奈
十話:『ハコベ』のタマゴアイドル:後編
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~~『豪華客船スフレ』:トリオ『ナデシコ』『ハコベ』『カスミン』~~


そこは船上だ。

大きな船の甲板に、自分たち三人はいた。

海の上から潮の匂いがするはずだけど、それは感じない。

自分の周りに、ナデシコとカスミンがいた。


三人でライブをして、その真ん中にナデシコがいた。

「お嬢様、センターで大丈夫ですか?」

「はい」ナデシコが、後ろの自分に声をかけていた。


「あなたは、ちゃんとライブできるの?」

「はい、ライブしますよ」

「カクイドリの数は……」

「私は戦います」

お嬢様がやる気だ、顔が引き締まっていた。


「でも、やる気だけでは勝てる相手ではない」

「サポートしてくださいね、カスミン」

「あんたって人は……しかたないわね」

カスミンがそう言うと、曲が流れてきた。自分たちの口が自然と動く。

それを見るのは、甲板に向けたれたカクイドリ。

数は、前回のライブよりもはるかに多い。


(緑魔女はいるのだろうか?)

曲も海のような曲調だ。

音楽が軽快に流れて、ダンスを続けていく。

周りの音符玉を弾くと、カクイドリが沈んでいく。


(この曲の難易度は、少し楽だ)

音符玉の発生が多ければ大変だが、少なければ楽だ。

その難易度は、カクイドリの数によって変わっていた。

その割には、カクイドリが減っていない。


(やつは、いるのか?)

自分はダンスをしながら、ひらすら音符玉を追いかけていた。

カクイドリの周囲を見回しながら、緑魔女を探す。

日曜ならどこかに緑魔女がいるはずだ。

シエルも、カスミンもその姿を見ていた。


それとも、このカクイドリ自体が囮なのだろうか。

船の上に、目を少し回すがそれらしき姿はない。

やがて曲が、サビへと差し掛かっていた。


(サビ……いたっ)

その姿は、船ではなく海に見えた。

海で上半身裸で、浮き輪につながっている女がいた。

もちろんそいつが緑魔女、だけど緑色のポンチョはしていない。


(やつはどう動く?)

自分はライブを続けながら、見ていた。

それでも浮き輪に捕まって、こちらを見ているだけだ。


サビになっても、音符玉の数は増えない。

(おかしいな、動きが……なにっ)

そう言いながら、自分のとなりを見ているとナデシコの周りに黒いカクイドリが群がっていた。

そして、ナデシコの衣装がボロボロになっていた。



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