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それから十分ほどして、自分たちは車を乗り込んでいた。
撫子お嬢様は『ナデシコ』になり、桃色のポニーテール。
着ているのは、紫色のドレスに薄紫色のスカート。
紫と白のしましまソックスに、ブドウが付いたステッキ。
ナデシコの『ベリープリンセス』コーデだ、レア度ERだ。
隣にいるののが、『カスミン』だ。
彼女は、いつもどおりの天使風の衣装だ。
白いブラウスに、白いミニのフリルスカート。
真っ白な天使の羽は、純白な天使そのものだ。
自分もよく使う『エンジェルガール』コーデ、もちろんERだ。
「この活動は、一体何の意味があるの?」
天使になったカスミンが、不満そうに聞いてきた。
「奴らの戦力を、裂くことが目的です」
「イースターライブは、数の多いカクイドリを相手にしないといけない。
だからそこによる準備をしていくのですよ」
ナデシコが、自分をフォローした。
「近くにいるはずです、探しましょう」
「そうですね、このあたりに……」
「あれは、図書館かしら?」
そう言いながら、自分たちの前には白い綺麗な建物が見えた。
だけど、すぐに自分たちは気づいた。
「どうやら、ここはあたりのようですね」
そう言いながら、お嬢様が見た先には黒い塊がこちらに向けて飛んっでいるのが見えた。