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ドンペンホームには、人がやはり少ない。
いろんなものが、売られていた。
狭い店に、いろいろ並ぶここはすごい場所だ。
「ここは、よく来るの?」
「ええ、たまにきます。それよりも霞は、先週ここにいたのでしょうか?」
「いたわよ」腕を組みながら、ゲームを見ていた。
「何をしていたのかしら?」
「嫌気がさしていたの、あの日。全部の責任を取らされて」
「あの日?」
「その話はしたくないわ、ごめんなさい」
霞が何故か、丁寧に謝っていた。謝ってすぐに前を歩く。
「ここに筐体があるわね」
「何かわかるの?」そう言いながら、撫子お嬢様が見つけたのがタマドル筐体。
それを自分が見ていた。
もしも、緑子が出てきたのならば痕跡らしきものがあるはずだ。
それは、タマドル筐体についている石だ。
真ん中に、宝石のような石がついていた。
ここから緑魔女が出ているとすれば、必ず石の色が変わっていた。
色を見て理解した。
「緑色ですね」
「やっぱり、ここか」
自分が睨んでいた通りだ。睨んだのは、緑色の石。
エメラルドにも似た宝石。だけどその宝石は、明らかに発光していた。
「どうやら、ここから緑魔女が……」
「この石は?ただの飾りじゃなかったの?」
「タマドルストーン、石をつかって彼女はここに来ている。
ここが言ってしまえば、ベーツァの門の出口」
「どういう意味?」
「この石を目標にタマゴ王国とつながっている。
つまりここに来るには、どこかの筺体に繋がらないといけない」
自分は、そんな中でも壊れた神社に転送された。
ベーツァの門を無理やり潜ったのだから、それは仕方ないが。
「では、近くにいるということだな」
「そうですね、その前に……」
「うん」
自分の言葉に、霞と撫子お嬢様はゲーム筺体に自分のカードをかざしていた。