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『6月26日』
この日は、日曜日だ。
カスミンこそ、『奥津 霞』と手を結んだ自分は黒い車に乗っていた。
今日は危険な日曜、この日に緑魔女が動く。
そのため、朝から車に乗ってい動いていた。
「そういえば、メグッポとシエルは?」
「はい、彼女たちは試験前ということでお休みです」
「試験?」聞き覚えのない言葉が出てきた。
「試験というのは、期末試験です。明日から期末試験ですから。
そのために、勉強をしているのです。
シエル会長……いえシエルは、試験結果が悪いと大変みたいですよ」
「そうですか」
日曜といえど、リアルもあるだけに仕方ないことだ。
「でも、お嬢様は試験ではないのですか?」
「はい、試験ですよ」
「ならば自分ひとりでも……」
「それ以上に、緑魔女の動向が気になります」
お嬢様が、はっきりと言い放つ。
巻き込んでしまったことを少し後悔した自分だった。
「そうですか、わかりました」
そんなわけで、車を走らせていた。
あくまで、緑魔女がどこに出てくるかわからない。
だけど、彼女はどこかに出てくるのだ。それが『危険な日曜日』。
「それともうひとつ気になったのですが」
「なにがですか?」
「日曜に出て、彼女は何をしようというのでしょうか?」
「緑魔女の行動はわかりません。
ただ、タマゴ王国をわずか半年で乗っ取った彼女のことです。
普通の事情ではないと思います、それにカクイドリを操れるのも気になりますね」
「というのも?」
「カクイドリはもともと、組織化されたものではありません。
それを彼女が、どういうわけか意図的に操っているのが気になりますね」
「なるほど」
お嬢様にも、心当たりがあったからだ。それは、先週の件だ。
駅前のカクイドリは、確実にお嬢様を狙っていたのだ。
「それを確かめないと、緑魔女が……あれ」
「どうしました?」
そんな時、自分たちの車をお嬢様が前の運転手に止めさせた。
歩道には一人の少女が、そこにはいた。
「霞……ですね」
「はい」
自分とお嬢様が止まった車のそばには、霞が立っていた。
そして、彼女が車に乗り込んできた。
「あたしも参加するわ」
霞はそういいながら、いつもどおりのジャージ姿に着替えていた。