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『6月19日』
この日、自分は早朝にある画像を見ていた。
それは、一人の少女が写っていたからだ。
朝、駅前にお嬢様を送り届けた。
そのまま黒い車で、自分は移動していた。
そして、自分は見つけたのだ。だけど、意外な結果もあった。
「緑魔女」
そこにいたのは、二人。一人はタマドルで、もう一人が緑魔女。
金髪でミドルストレートの少女。
なにより、その格好は天使のような姿だ。
白いブラウスに、白いフリルのスカート。
白のソックスに、よく目立つ白い羽。
それは、自分がタマゴ王国でもよく着ていた『エンジェルガール』コーデだ。
自分に似た、タマドルカスミンを助けた。ライブを行い、彼女の神衣装がボロボロだ。
それでも、緑魔女を追い返すことに成功できた。
「『イースターライブ』を知っているか?」
「なぜそれを……」
「知っているようだな」
「タマゴアイドルをやっていれば、誰でも知っていることでしょ」
金髪の少女が、不機嫌そうに言い返す。
「そうですね、でも緑魔女を引っ張り出すには『イースターライブ』しかないのですよ」
「意味がわからないわ」
「緑魔女を止める、それしかない」
「何のために?」
「緑魔女は何かを企んでいる」
「ミーコはそんなことをしない」
少女は強く否定した。お嬢様の言うとおり、緑魔女は緑子なのだろうか。
「でも、今のやっている彼女が全てです」
「何が全てなの?」
「自分は彼女に、国を追われたのですから」
「そんなもの知らない」
「知らなくてもいい、自分は彼女を追いかけます」
「あたしだって……」
そう言いながら、自分を睨んでいた。
少女には、殺気のようなものを帯びていた。
「何をするのかしら?」
「あなたに関係ないわ」
そう言いながら、少女が背中を向けていた。
「今度会うときは、敵になるかもしれないわね」
最後に一言吐いて、彼女は去っていったのだった。