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変身少女のタマゴ系ライブ  作者: 葉月 優奈
九話:『ハコベ』のタマゴアイドル:前編
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この日も、夕方になった。

あたしはお嬢様と一緒に黒い車に乗っていた。

一人でいつも探している作業だが、今日はお嬢様も一緒だ。

そして、この日運悪くカクイドリを見つけた。


目撃したのは大きな河川だ。

カクイドリの群れが見えたが、橋桁の方に吸い込まれた。

おそらくほかのタマドルが、ライブをしているはずだ。逆に言えばそれは都合がいい。

自分には、もう一つ探していたものがあった。


自分は河川敷を走った。お嬢様をあえて置いて。

それは緑色のポンチョが見えたから。


(どこに行った)

見晴らしの良い河川敷を、メイド姿のまま走っていた。

やはり、やつはここに来ていたんだ。

そんな自分が見つけたのが、橋桁にいる一人の少女だ。


「緑魔女」

忘れるはずもない。

自分は橋桁にいた緑のポンチョの少女を、見つけていた。


「あら、どこにいるかと思えば元女王様」

「なにをしているの?」

「残念ながら、ペットがいないのよ」

確かに、彼女の周りにはカクイドリはいない。

今頃、ほかのタマドルがライブという名の急襲を受けている。


「あなたは、何をやろうとしているの?タマゴ王国を乗っといておいて」

「乗っ取る?」

「あなたがやったのは、乗っ取りでしかない」

「それはどうかしらね。あなたのやっていたことが、全て正しいと評価できるものかしら?」

緑魔女は表情をフードに隠しつつも、余裕を見せていた。


「カクイドリで襲って、自分の城を乗っ取ってそれをなんというの?」

「世界の真理よ、これが正しいから」

「世界の真理、ふざけないで!」

「あなたは、カクイドリが生まれる理由を知っているでしょ」

「変身できない、タマゴアイドルの果の姿」

「そう、だから彼女たちを解き放つの」

「まさか……」

自分が言おうとした瞬間、緑魔女は大きな川の方に走り出した。

そして、川のど真ん中にありえない鉄の門が見えた。


「まさか……ベーツァの門」

「そう、またくるわ」

そのまま緑魔女は、川に沸いた門に飛び込んでいた。

そして、門ごと彼女は消えた。

だけど、自分はこの時まだ知らない。

一人の少女が、自分を見ていたことを。



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