113
自分が、食事をしているお嬢様を見ていた。
そんな自分が、お嬢様の食事の時にはやることはない。
正確に言えば、お嬢様の話し相手になることだ。
でも、それは自分にしかできないことでもあった。
「ハコベが来てくれて、正直嬉しいです」
お嬢様が食事をしながら、不意に笑顔を見せた。
それは、お嬢様の部屋と違って大きなテーブルがある和室。
「お嬢様は自分のようなものを寛大に受け入れてくれて、こちらこそ感謝です」
「でも、ハコベはよいのですか?」
「何がですか?」
「緑魔女……」
お嬢様に隠すことはしない。
緑魔女によって自分は、追放されたことを。
「はい、彼女がこの地球に来ているのでなんとかしないといけません」
「日曜日、だからですか?」
「はい、日曜日に彼女は行動しますから。
危険な日曜に彼女は動く」
「なぜ、日曜なのですか?」
「日曜になると、『ベーツァの門』がわずかに開くのですよ」
「『ベーツァの門』?」
「すいません、そろそろ時間なので自分はこれで……」
正座から自分は立ち上がった時、お嬢様が手を伸ばした。
「ハコベ、私も行ってもよろしいですか?」
「お嬢様?」
「車もだしましょう」
「ですが……」
「緑魔女を何とかすることが、帰れる方法なのでしょう」
撫子お嬢様は、やはり微笑んでいた。