表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
変身少女のタマゴ系ライブ  作者: 葉月 優奈
九話:『ハコベ』のタマゴアイドル:前編
112/159

112

自分が、撫子お嬢様の部屋に来ていた。

朝、この屋敷の自分の主人でもある撫子お嬢様を起こすのも自分の仕事だ。

この仕事を、自分は嫌いではない。


襖を開けると、広い和室が広がっていた。

髪が長い、撫子お嬢様が起きていた。

ピンク色の浴衣を着て、立って庭を見ていた。


「お嬢様、起きていたのですか」

「はい、今日はあまり眠れなくて」

「そうですか」

「日曜日は、いつもハコベがいませんから」

「申し訳ありません」


寂しそうな撫子お嬢様に対し、自分は深く頭を下げていた。

撫子お嬢様と、自分は年齢的にも近い。

撫子お嬢様にとって、自分が最近は話し相手になっていた。

本当のところ、お嬢様は寂しがりやなのかもしれない。


もしかしたら、変身して変わったのかもしれない。

自分が抱き抱えたイースターは、お嬢様の変身に手助けをしていた。

変わりたい少女の願いを叶えるイースターならば、当然だ。


「お嬢様には、あの方がいるではありませんか」

「奥津先輩は違います」

明らかに顔を赤くしていた、お嬢様。

奥津先輩は、お嬢様が大好きな男子のことだ。


「それにしても、ハコベは好きな人がいますか?」

「お嬢様が好きですよ」偽りのない、自分の言葉。

「そうじゃないです、好きな殿方」

「殿方……うーん、自分には必要ないですね。

タマゴ王国は、女しかいませんから」

「まあ、それは大変ですね。どうやって増えていくのですか?」

「変身したいみなさんの願望です。

それに自分たちタマドルは本来、タマゴで生まれますから女性だけいればいいのです」

「まあ、そうでしたか。それはつまらないですね。

そういえば、前に食事をとらなくても大丈夫とか」

「レストランとかあるのですが、食事はしなくても大丈夫です。

タマドルはみんな生理現象が起きないですし、睡眠も食事も不要です」

「それはすごいですね」

お嬢様がいつも自分の話で、驚いていた。


「ですが、お嬢様食事をお持ちします」

「はい」そう言いながら自分は、布団をたたみ始めた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ