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~~タマゴ城:ソロ『ハコベ』~~
――自分はハコベ、今はライブをしていた。
自分が着ているのは、天使のコーデ。
白いブラウスに、白いフリルミニスカート。
白いソックスに茶色のパンプス、そして綺麗な白い羽。
エンジェルガールコーデだ。
自分の名は、ハコベ。この国の女王でもあった。
自分の前には、無数のカクイドリ。その目が自分に向けられていた。
自動的に口が動き、足元に現れた音符玉を弾く。
「いつまでもつかしら」
自分の前にいるのは、緑色のポンチョをきた少女。
その目は、澱んでいて自分をじっと見ていた。
彼女の指示で、カクイドリが襲いかかっていた。
(連続っ、まさか)
そして、次の瞬間自分の周りに音符玉が一気に発生した。
時間とともに消えて行き、次々と新しい音符玉が発生していた。
消えた分だけ、カクイドリが自分に襲いかかってきた。
(くっ)自分は衣装の破けを見ていた。
エンジェルガールコーデは、見た目の露出以上に耐久力に優れた神衣装。
だけどカクイドリの波状攻撃で、衣装がボロボロになっていく。
「どうしたの、女王様の顔が怖いわ」
緑魔女は、不敵な笑みとともにカクイドリをけしかけていた。
自分は、全く反応することができない。
「タマゴ王国は、みんなを変身させてタマドルにするそんな素敵な世界。
変わることで、素敵になれる少女の世界。
そんな世界で、世界のトップたる女王がそんな顔しないでよ」
緑魔女は、不敵に笑っていた。
自分はひたすら踊るが、自分の体が黒いカクイドリに覆われていた。
覆われた体が、自分の神衣装を破いていく。
(ダメっ、これでは……)
自分は体を震わせながら、頭の上に手を伸ばす。
頭にある髪飾りを掴むと、髪飾りの姿が変わっていた。
ピンク色のコンパクトになって、あたしはそれを開く。
開いたコンパクトには、小さな鏡が見えた。
鏡には、赤と紫色の斑点模様のタマゴが見えた。
(ごめん)
あたしは謝りながら、鏡をタッチした。
そして、次の瞬間あたしの体が光った。
あたしの姿が、黒いメイド服に変わったのだ。