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リアルライブが終わった、そこはどこにでもある歩道。
隣には国道が見えて、道路が広い。
あたしの前には、一人のメイドがいた。
メイドはずっと、あたしのことを見ていた。
「あたしは、あなたの仲間ではない」
あたしもまた、メイドを睨んでいた。
ボロボロになった、天使の衣装。もちろん、カクイドリに襲われたものだ。
「ミーコはどこなの?」
「彼女が緑魔女、自分たちの敵よ」
「たち?ふざけないで」
あたしは憤っていた。
「彼女は、お前のことを殺そうとしていた。助けることもできたのにな」
「何が言いたいの、あなた?」
「自分はハコベ」
「タマゴ王国の女王様っていうわけ?」
「そう、自分は帰らないといけない」
「そっか……あんたがいけないのね」
あたしはメイドの肩を掴んで、激しく揺すった。怒りを向けるように。
「あなたが、ミーコを緑魔女にした。そうでしょ」
「違います」
「違わないわよ、あなたのせいで」
あたしは、大きくため息をついていた。
「ミーコを返して」
「無理ね」
「なんでよ、あんた女王なんでしょ」
「今の自分に、そんな力はない」
「力がない、だったらあんたは何をしに来たの?」
「救いに来た、迷えるタマドルを」
「あなたにあたしが救われる筋合いはないわ」
あたしは睨みつけていた。そのままメイドのハコベを、突き放す。
「これ以上、あたしのそばに出ないで……」
「だが、いずれ出会わねばならない。
お前はタマドルでありイースターに選ばれた以上、絶対に避けることはできない」
「どうしてよ?」
「『イースターライブ』を知っているか?」
ハコベが言った言葉に、あたしは聞き覚えがあった。