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変身少女のタマゴ系ライブ  作者: 葉月 優奈
八話:『奥津 霞』のタマゴアイドル:後編
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タマドルであれば、カクイドリを退けるためにライブをしないといけない。

それを、ミーコが見ている前で。


変わり果てたミーコは、あたしをじっと見ていた。

ミーコの表情は隠れているが、いきなりライブが始まった。

あたしの心は、ミーコが気になって仕方ない。

口が自然と動き、あたしの周りには音符玉。


(なんで、あたしが踊らないといけないの?)

あたしは、心の中で叫んでいた。

その奥ではカクイドリと、ミーコがいた。

ライブが、あたしの心と反して続く。


納得できないあたしは、踊れかった。

音符玉が触れないと、カクイドリが襲いかかってきた。

あたしの衣装が、ちょっとずつ削られていく。

スカートが、破けているし羽もかけていた。

それでも、カクイドリに襲われて痛い。

痛いが、痛みは思いのほか感じられなかった。


(これもエンジェルコーデの、強さなのだろうか)

そんなことを考えながらミーコを見ていた。

いつもどおり緑色のフードをかぶるミーコ。


曲がだんだん激しくなる、このあたりは一緒だ。

隣のメイドは、黙々と踊っていた。


(なんで平然と、踊っていられるの?)

あたしはわからなかった、だけど今あたしは前に出ることができない。

あたしの足元には、出られない枠があった。

この枠の外から、あたしは出ることができない。

前にはミーコがいるのに、口が勝手に動いて話すこともできない。


そんな中、サビが終わって曲が間奏に入った。

メイドの女はあたしの方を見ていた。


「踊らないの?」

「踊れるわけがない」

「それでも、あなたは踊らないといけないです」

「なぜ?」

「あなたは、タマドルだからです」

その言葉に、あたしは眉をひそめた。


「それと友達と戦うことに、何の意味があるの?」

「友達ですか?」

「そうよ、あたしの……」

「踊れ!今はそれだけだ」

そのメイドにあたしが何かを言おうとしたとき、口が勝手に動き始めた。



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