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城下町に着いた!ここで何をしようかな?

 翌日、歩いても歩いてもラースファリーの城下町が見えなくて流石にイライラして来た。もしかしたら一生辿り着かないんじゃないかと思い始めていた・・・


 「立て札・・・?間もなく、ラースファリーの城下町・・・イッサ!ラースファリーがもうすぐそこだってさ!」


 だが、その言葉を聞いて俄然やる気が出て来た。俺は北と西に分かれている道の内、北の道を走ったが・・・


 「おい!ラースファリーは北じゃ無い!」


 「あ、そうだった。」


 ちょっとテンション上がり過ぎた・・・




 そして、数十分後・・・


 「「ついにラースファリーに着いた!!」」


 俺とケンは同時に大声で喜んだ。俺が異世界に来て初めての街だ、これは一生の思い出にしておこう。早速俺とケンは門を通ってラースファリーに入った。


 「おぉ・・・いかにも城下町だな。」


 ラースファリーの城下町には普通の家や、道行く人で溢れていた。


 「ケン、ラースファリーで何をすれば良いんだ?」


 「何をすればと言われても・・・そうだ、ラースファリーの学校でも見学しないか?かなり有名な学校だから見応えもあると思うぞ。」


 「・・・どうせ暇だから良いか。」


 こうして、俺はラースファリーの学校へ向かう事にした。




 「あぁ・・・登り坂きつい・・・」


 「頑張れ、後少しだぞ。」


 「そんな事を言われましてもね・・・俺はきついんですよ。だから・・・」


 「僕のスタミナを吸収魔法で吸い取るとか止めろよ。」


 「チッ、読まれてたか・・・うわっ!」


 俺が舌打ちをした時、後ろから誰かがぶつかって来た。ぶつかった誰かは俺に謝りもせずに通り過ぎて行った。見てみるとピンクの髪の女だった。


 「畜生、何だアイツ!俺にすみませんぐらい言ったらどうなんだよ!」


 「確かに・・・あれ、何か落ちてるぞ。」


 ケンの言う通り、地面に何かが落ちていた。良く見てみると学生証の様だった。


 「さっきの奴の落とし物か・・・イッサ、届けてやろう。」


 「やだよ、俺はあんな奴の落とし物を届けたくない、だからお前一人で行って来い。俺はここで休んでるから。」


 「そんな事を言っていないで行くぞ!」


 「痛いよ!引っ張るな!」


 俺は引っ張られながら学校へ向かう事になった。




 「OS!OS!OS!OS!」


 俺を学校の門の前まで引っ張ったケンが、学生証を届けて貰う為に人を探し始めた。


 「貴方たち何をやってるの!?」


 探していたら、教師と思われる女性がこっちに来た。


 「あ、すいません。実は僕たち・・・」


 「遅刻したんでしょ?全く、さっきも生徒会長が特権を使って遅刻したばかりなのに・・・」


 「いえ、僕たちは・・・」


 「良いから、早く体育館に行きなさい!今日で一学期は終わりだから!」


 この世界にも夏休みがあるのか?


 「あの、だから・・・」


 「私も一緒に行くから!ほら早く!」


 「いえ、だからですね・・・」


 その女性は、ケンの話を全く聞かずに俺とケンを体育館へ引っ張った。




 「じゃあ私は進行係の仕事があるから!」


 俺とケンを引っ張った後、女性は体育館の中へ入って行った。


 「参ったな・・・どうするイッサ?」


 「どうでも良いだろ、学生証なんか届けなくても・・・」


 「どうでも良くないだろ!!学生証と言う物はな・・・」


 (あぁ、説教なんか聞きたくないのにな・・・)


 「あの!」


 説教が始まるかと思ったら、誰かに声を掛けられた。


 「お前はさっきの!ぶつかったら少しは・・・」


 声の正体はさっき俺にぶつかって来た女だった。


 「さっきはどうもすいませんでした!急いでいましたので・・・それより私の学生証を見かけませんでしたか!?探していたんですけど見つからなくて・・・」


 「あの、これですか?」


 ケンがさっき拾った学生証を見せた。


 「それです!ありがとうございます!」


 どうやら学生証はこの女の物だったらしい。


 「えーと、貴方の名前は・・・」


 「あ、ケンです。」


 「ちなみに俺はイッサだ。」


 「そうですか・・・イッサさん、学生証を届けてくれてありがとうございます!」


 「学生証を拾ったのも届けたのも僕ですよね!?」


 「どういたしまして、お礼に何かください。」


 「お前も図々しい!!」


 「お礼ですか・・・イッサさんは何が欲しいですか?」


 「うーん・・・そうだ、お前は明日から夏休みだよな?」


 「はい、そうですよ。」


 「俺とケンは旅をしていて、しばらくはここに留まるからその間、ダンジョン探索とかの仲間になれ。」


 「仲間って、この人にも都合と言う物が・・・」


 「良いですよ。」


 「良いのかよ!?」


 「どうせ暇ですし、やる事もありませんから貴方たちが留まっている間は仲間になります!」


 「決まりだな、じゃあ連絡とか取りたいから名前とか家の場所とか教えてくれないか?」


 「はい、分かりました!」


 どうやらこいつは気さくな奴らしい。


 「私の名前はファンナと言います。家はこの学校から近くの女子寮です。」


 なるほど、女子寮に住んでいるのか。


 「これより、一学期の終業式を行います!」


 ファンナと話していたら、体育館の中からこんな言葉が聞こえた。


 「すいません!私は忙しいので失礼します!」


 ファンナは体育館の中へ入った。


 「・・・ここに留まる間だけ仲間にしても良いのかよ。」


 「さぁね、大変な事に巻き込まれるかもしれない。」


 「ハァ、気ままな一人旅が・・・」


 そして俺達は、学校を後にした。

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