場所は蝶繭店、目指すは石版!
「ファンナ、出て来い!」
俺とケンは、いつも通りにファンナを迎えに寮へ向かった。
「あれ・・・ファンナ!!留守か!?留守なら留守と言え!!」
「留守にしている奴がどうやって留守と言うんだよ・・・」
「こんな時はこう言うのが定番なんだよ!!」
「どこの世界の定番だよ・・・」
もちろん俺の世界の定番だが、今は言わなくても良いだろう。最初の時点でばれているかもしれないけど・・・
「生徒会長なら買い物に出かけましたよ。」
そう言ったのは、カツアゲから助けた女だ。どうやらこの寮に住んでいるらしい。
「なんだ、だったらここに用は無いな。」
俺とケンは寮を後にしようとしたが・・・
「あ、そう言えばお前の名前をまだ聞いて無かったな。教えてくれないか?」
ふと、俺はこんな事を思い出した。
「分かりました!私の名前はミーヤと言います!」
「そうか、可愛い名前だな。じゃあ俺達はこれで・・・」
今度こそ、俺とケンは寮を後にした。
「ちなみにさっきの言葉は社交辞令だ。」
「だと思った。」
「あ、そう。」
俺とケンはギルドで依頼を探していた。
「何!?」
探している最中に俺は、物凄く良い依頼を見つけた。
「どうした、イッサ。」
「これ見てみろよ!」
「なになに・・・蝶繭店で賭けをしませんか。貴方が勝てれば私から石版を贈呈しますが、貴方が負けたら私に10万Kを支払って貰います。もちろん、石版と10万Kがその場に無ければ賭けは成立しません。また、賭けをする前にキャンセルする事は可能です。賭けの内容は相談で決めましょう・・・これ良いじゃないか!!」
今、俺は脱出のオーブと言う脱出が何度でも出来るアイテムを持っている。だがそのオーブは石版が無いと使えない為、この様な依頼はまさにうってつけなのだ。後、蝶繭店と言うのは女子数人と賭けをした料理店だ。
「良し、蝶繭店に急ぐぞ!!」
「異議なし!!」
こうして俺とケンは蝶繭店に行く為、ギルドを駈け出そうとした。
「おい、お前ら。」
だが、そんな俺達を一人の男が止めた。
「なんだよ、折角この賭けをやろうと盛り上がってたのに!」
「そうだそうだ!邪魔するな!」
俺とケンはその男に抗議した。
「悪い事は言わないから止めておいた方が良い。」
「何でだよ、依頼主が相当頭が切れる奴なのは目に見えてるしこっちには用心棒だっているぞ?」
「その用心棒は僕だ。」
「そうじゃ無くて、アイツは人間不信だから会わない方が良い。」
「人間不信・・・?」
そう言って俺は、息を吸い・・・
「人間不信な奴が怖くて!!石版が手に入るか―――!!!!!」
大声を出して蝶繭店へ向かった。
「さてと、蝶繭店に着いた訳だが・・・依頼主はどこかな?」
蝶繭店にいる人に聞いてみる事にした。
「すいません、この依頼を出したのは貴方ですか?」
「いえ、違います。」
「じゃあ、この依頼を出した依頼主を知っていますか?」
「いえ、全く・・・」
今、蝶繭店には一人の中年の男と二人の女子と四人の家族と・・・8歳ぐらいの子供がいる。さっき話をしたのは一人の中年の男なので残りは7人だ。
「すいません、この依頼を出したのは貴方ですか?」
次は二人の女子の話を聞く事にした。
「「違う。」」
「じゃあ、この依頼を出した・・・」
「「知らねえよ!!」」
なんだこいつら、二人とも口が悪いな。さてと、次は四人家族に・・・
「おい、お前。」
話を聞こうとしたが、8歳ぐらいの子供が俺に話しかけて来た。
「なんだよ、ショタっ子。もしかしてお前が依頼主か?」
「そうだ、私が依頼主だ。後、ショタっ子って・・・」
「お~い、イッサ~」
あ、ケンがようやく追い付いて来た。
「そいつはお前の用心棒か?」
「・・・まぁそんな所だな。それよりお前、何か言いかけて無かったか?」
「そうだった、ショタっ子って何だ?」
「あぁ・・・ショタっ子と言うのは幼い男子を表す俺の造語・・・」
「ふざけんな!!」
「ゴフリッチョ!!」
何故か俺はショタっ子に殴られた。別に痛くも無い・・・
「何をするんだよ、ショタっ子・・・」
「私はショタっ子じゃない!!」
「ショタっ子だろうが、背が小さいし・・・」
「依頼内容に私と書いてあって、私の一人称は私だろうが!!」
「その口ぶりから察するに、お前はロリっ子って事か。」
「ロリっ子と言うのは幼い女子を表すのか?」
「その通りだ、さすがこんな依頼を出すだけは・・・」
「コノヤロー!!」
またショタ・・・いや、ロリっ子は殴りかかって来たがやっぱり痛くない。
「てっきり俺は大人ぶっているのかと思ってた。」
「僕もそう思ってた。」
「畜生!大人ぶっちゃ悪いか!!」
ロリっ子は泣きながら殴っているが、さっぱり痛くない。
「それよりも、賭けをやるんだろ?内容を決めないと・・・」
「そうだった!お前ら二人ともギャフンと言わせてやるからな!!」
こいつが人間不信?とてもそうは見えないが・・・
「あ、そう言えば社交辞令忘れてた。」
「舐めてんのかお前は!!」




