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最初は自己紹介と能力の確認だな。

 俺は普通の高校生の川原一佐。昨日で一学期は終わり、今日から夏休み・・・の筈だったのだが。


 「ここはどこ?俺はなんで草むらで寝ているの?」


 目を覚ましたら自分の部屋では無く、草むらの中だった。


 「これは夢だ、もう一度寝よう。」


 俺は目を瞑り、夢が覚めるのを待つことにした。




 それから数十分ほど経過したが、一向に目は覚めない。


 「おかしいな・・・よっぽど深い眠りについているのかな?こんな草むらに俺が寝ている訳が無いのに・・・もしかして、異世界に召喚されたとか?いや、召喚されたなら姫とかが近くにいる筈なのに数十分ほど経っても一向に召喚した奴は現れない!もしかして寝ている隙に死んじゃったとか?そして神様に連れてこられた!?でも神様に会った記憶なんて無い!全くもって訳が分からない!一体誰が俺をこんな異世界に召喚したんだ!?何で俺が召喚されたんだ?ナンデダナンデダナンデダナンデダナンデダナンデダナンデダナンデダナンデダナンデダ・・・」


 「あの・・・」


 俺が混乱している中、誰かの声が聞こえた。声が聞こえた方を振り返ってみると、俺と同じ位の歳に見える男がそこにいた。


 「・・・お前、いつからそこにいた?」


 「数十分ほど前かな、お前が寝ている所を通りかかって道を聞こうとしたらまた寝たから起きるまで待ったんだ。そして今、お前がパニックに陥った。」


 「もしかして、お前が俺を召喚したのか?」


 「意味が分からないが、それよりもラースファリーの城下町ってどう行けば知ってるか?」


 「知るかそんなもん!こっちは異世界に連れて来られて困ってるんだ!」


 「そうか、知らない上に困ってるのか・・・だったらお前、僕と一緒にラースファリーの城下町に行かないか?その様子だと右も左も分からないだろ?」


 「え、良いのか!?」


 「あぁ、困ってるんだろ?」


 「良かった~俺は相当運が良いや・・・」


 と言う事で、俺は通りすがりの男と同行する事になった。




 それから俺とこいつは自己紹介をした。こいつの名前はケン、年は俺と同じで16歳、旅人をやっているらしい。ケンは四年ほど前から旅をしているそうだ。


 「ところでお前、モンスターと戦った経験はあるか?」


 「一度も無い!どうだ参ったか!」


 「なんでそんなに偉そうに言うんだよ・・・良し、僕で肩慣らしをしておけ。」


 「お前は旅人やっているんだからそれなりに強いだろ・・・」


 「大丈夫だ、奥の手は隠しておくから。」


 奥の手・・・明らかにヤバそうだが、俺はケンに対して攻撃を仕掛ける事にした。まず試しに殴りかかってみた。


 「よっと。」


 だが、あっさりと受け流された。


 「お前、魔法とか使えないのか?ちょっと使ってみろよ。」


 「どうやってだよ!?」


 「まぁ人によって出し方は色々あるが・・・一般的なのは手から出す事だな。手のひらを前に出して力を込めて出すんだ。」


 「手のひらを前に出して力を込める・・・?」


 半信半疑だが、僕は言われた通りにやってみた。


 「そしてイメージだ、火を出すとか氷を出すとか。」


 うーん、分かんないから適当に力を込めてみよう・・・


 「うっ、なんか力が抜けて行くような・・・」


 どうやら適当にやったら成功したらしいので、僕は手に力を込めるのを止めた。


 「お前、吸収魔法を使えるのか。」


 「吸収魔法?」


 「簡単に言えば生命力を奪って自分の物にする能力だな。」


 「つまり耐久タイプの魔法と言う訳か。」


 「まぁそう言う事だな、何にせよ強力な魔法には違いないからどんどん使おう。」


 「これは性行為の時に長持ちしそうだな。」


 「下品な事を言うなよ、と言うか相手をヘロヘロにする気かよ・・・」




 しばらく草原を歩いてたが、一向に・・・ラースファリーの城下町が見えてこない。


 「ちっ、モンスターか。」


 出て来たのは城下町では無くモンスターだ、見た所スライムに似ているが弱いか強いかは分からない。


 「ケン、このモンスターは強いのか?」


 「まぁ一般人では苦戦するだろうが、僕には大した敵では無い。ましてやお前の吸収魔法の敵ではないだろう。」


 なるほど、つまりこいつは雑魚か。俺は手のひらを前に出し、力を込めた。するとスライムは、あっという間に乾いて地面の一部になった。


 「ナイスだイッサ、先に進もうぜ。」


 「良し、そうしよう。」




 何時間も歩いたが、ラースファリーのラの字も見えてこない。とうとう夜になってしまった。


 「・・・今日は歩くのを止めにしてここで野宿しよう。」


 「大丈夫か?凶暴な夜行性モンスターとか出て来ないか?」


 「大丈夫だ、モンスターがやって来なくなる香水を使ったらそんなもん来なくなるから。」


 「便利な道具があるな・・・」


 さすが異世界だけあって、都合の良い道具があるな。


 「さてと、野宿の準備をするぞ。」


 「ほーい。」




 「良し、ここで魔術師だ!」


 「なるほど・・・どうしようかな?」


 今、俺とケンは暇つぶしにこの世界のボードゲームで遊んでいる。地球の将棋やチェスなどとはルールが違うが、中々面白い。電子ゲームとかが無いとこんなゲームでも面白くなるんだな。


 「仕方ない、ここは勇者を・・・いや、王を逃がすか・・・それとも・・・あ、そうだ。」


 今、俺は不利な状態だがここである事に気付いた。


 「なんだ、結局勇者を捨てるのか。」


 「いや、ここで戦士を動かせば・・・」


 「しまった!姫を取られてしまった!」


 「残念だったな、勇者だけが攻め手じゃないんでね。」


 「クソ、どうすれば・・・」




 「フワー・・・眠くなって来たな・・・」


 「そうか、じゃあこのゲームは僕の勝ちで良いな。」


 「それは駄目だ、七勝七敗でそれは駄目だ!」


 僕は眠い目を擦って、ゲームを続けようとしたが・・・


 「あぁ、もう眠い・・・眠くてたまらない・・・」


 「だったらもう止めるか?」


 「そうだな・・・もうこれでお前は詰んだから止めるか・・・」


 「しまった!!」


 と言う訳で・・・お休みなさい・・・

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