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操縦席内の人物

 座り心地のいい椅子に座った人物は、正面モニターを両手で触っていた。

 タッチパネルで動かすウィンドウズのようなものだ。

 それらのいくつかドローンから送られる映像が写っていた。

 ドローンはプロペラ、バッテリーモーターを基本とする。もちろんこれ自体は兵器ではない。

 ただ、4-XHのドローンの幾つかにはマシンガンなどの武装が施されていた。

 装弾数50にも満たない。

 活動時間も1時間以下。

 ただ、今4-XHを動かしている人間にとってこの遠距離の情報を送信してくれるこの飛行ドローンには素晴らしい機能が備わっていた。

 魔力がなくても動く。

 だから、マナフュル粒子に一切反応せず、コンビニで買ったスプレーをかけられた程度では爆発するようなことは、ない。

 本来は一切魔力を持たない、普通の人間が使うべき武装だ。

 だが、それを自分のような魔術師が使用してはいけないというルールは戦場には『ない』。

 物見の魔法で、例えばウィザードアイで鳥の目を通して偵察しようとしても、その鳥がマナフュル粒子に反応して燃える。下手をすれば自分の目が焼き切れるような事があるだろう。

 だが、人間が造ったこの機械ならば。ドローン偵察機の映像ならばそんな心配は不要だ。

 4-XHの内臓コンピュータと複数のドローンを使用し、雨の降る街の中、動く車や人間をチェックしていく。

 気を付けるのは、銃器を持った人物だけでいい。

 自販機近くにいる紐みたいなエクゾを着た女はさっきから動かない。

 公園に来た戦車はドローンで破壊した。

 そして。

 非常に目立ちやすい金髪の女。ゴスロリレオタード調のエクゾを着たスタイルのいい女が、大通りを行ったり戻ったりしている。

 場所は吹き飛ばした戦車が止まっていた位置に程近い。

 なるほど。そういう事か。

 ではお前たちの隠れん坊に付き合ってやる事にしよう。

 4-XHは大通りに向かい始めた。

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