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-ドウルスレイヴとは-
ドウルスレイヴとは、如何なる意味でも公的正式名称ではない。
ガイア社は自社所属施設防衛部隊及び世界統一政府軍に二脚戦闘車両を始とする兵器を開発、提供している。
それらは映画、アニメーションに登場するような無敵の超兵器などではない。
確かにガイア社及び世界統一政府軍は人類の平和維持と安全をもたらすために日夜戦い続け、それは一定の成果をあげている。
だが、最新型の4-Xシリーズであっても歩兵のアンチマテリアルライフルで破壊されない可能性はゼロ、ではないのだ。
破壊されれば搭乗兵は当然、死ぬ。
敵陣で燃料切れを起こせば当然MIA、作戦行動中行方不明、事実上の戦死である。
欧州戦線で機体を爆破放棄、戦場に放置されていた自転車に乗って自軍陣地まで逃げ帰った兵士がこう言った。
「これでは俺達は『人形の奴隷だ!!』」
一度壊れれば、電池が切れれば、糸の切れた操り人形と化す。
そんなものに命を預ける兵士達は戦場に立つ自分達の事を自虐を込めてこう呼んだ。
人形奴隷と。